Vistaネットワーク大解剖

 GUI画面からだれでも簡単に使えるため,Windowsネットワークはオフィスを中心に幅広く使われています。Windowsネットワークが登場して以来,Windows 9x,Windows NT,Windows 2000,Windows XP,Windows 2003,Windows Vista,Windows 2008など,さまざまなOSが提供されてきました。新しいWindowsが次々と出てきても,Windowsネットワーク上ではバージョンの違いをほとんど意識することなく,いつも同じように利用できます。

 このため,Windowsネットワークを使っている際に,その変化を意識することはなかなかありませんが,Windowsネットワークは常に進化してきています。特にWindows Vistaが登場してからは,IPv6への対応をはじめWindowsネットワークに大きな変化が生じています。マイクロソフトでは,こうした新しい機能を追加する一方,それまで使われてきた通信についても継続できるように既存機能も提供し続けるといった工夫を常に実施してきました。結果として,Windowsネットワークは使いやすい操作性の裏側で,実現するための仕組みは非常に複雑なわかりにくいものになっています。この連載では,実際にネットワーク上でやりとりするパケットの中身を見ながら,最新のWindowsネットワークの仕組みを解剖していきます。

Vistaネットワーク事始め(1)--従来環境との互換性を確保しながら通信する 
Vistaネットワーク事始め(2)--Windowsネットの三大機能をカバーする新プロトコルを装備 
Windowsネットワークへの参加(1)--自分の名前を登録するためにIPv6対応のプロトコルを装備 
Windowsネットワークへの参加(2)--ブラウジングの中心はマスター・ブラウザ 
ブラウジングとネットワーク探索(1)--従来のブラウジングと追加機能の結果をまとめて表示 
ブラウジングとネットワーク探索(2)--自力での探索機能を新たに二つ装備 
名前解決(1)--いくつもの手法を併用しWindows独自の名前解決を実現 
名前解決(2)--IPv6でも使えるLLMNRによる解決手法を追加 
ファイル共有(1)--バージョンアップしたSMB 2.0を搭載 
ファイル共有(2)--相手を確認し可能な相手とはSMB 2.0で効率的に通信 
Vistaの目指すネットワークの姿(1)--IPv6が標準プロトコルに昇格 
Vistaの目指すネットワークの姿(2)--NetBIOSなしでWindowsネットを実現