とかく過重労働になりがちなITエンジニアにとって,うつ病などのメンタルヘルス不調は,とても身近な存在です。メンタルヘルス不調の予防や治療,職場へのスムーズな復帰のためには,メンタルヘルスに関する正しい理解が欠かせません。

 そこで,メンタルヘルスに関連する法律やうつ病,職場復帰,ストレス,睡眠,パニック障害など,ITエンジニアが知っておくべきメンタルヘルスに関する基本知識を問う10の問題を用意しました。これらの問題を通じて,ぜひメンタルヘルスの正しい知識を身に付けてください。

(出題◆河野慶三=富士ゼロックス全社産業医)

検定問題は1回しか受験できません。慎重にご回答下さい。
すでに受験した方は,前回の回答結果を参照できます。
前回の受験結果ページへ 前回の受験結果ページへ
解答の解説記事 解答の解説記事 
検定の講評記事 検定の講評記事 



【問題1】
 「労働安全衛生法」は,1カ月の時間外労働時間が一定時間を超える労働者から申し出があった場合,産業医もしくはそれに代わる医師による面接指導を行うことを事業者に義務づけています。労働基準法が定める週40時間働く労働契約をしている労働者の場合,それは月何時間でしょうか(1つを選択)。

A)45時間
B)70時間
C)100時間
D)120時間


【問題2】
 安全配慮義務に関する次の記述で誤っているものはどれでしょうか(1つを選択)。

A)安全配慮義務は「労働安全衛生法」で定められた事業者の義務である
B)メンタルヘルス不調は安全配慮義務の対象とされている
C)安全配慮義務の実行責任は部下を持つ管理監督者が負っている
D)安全配慮義務違反の訴訟では,労働者の健康状態を把握していないことが,事業者の過失を認定する根拠の一つとされている


【問題3】
 メンタルヘルス不調が過重労働によって生じたことが認定され,「労働者災害補償保険法」による補償を受けた労働者の数は2007年に最高を記録しました。その数は2000年は36人でした。2007年は,およそその何倍になったでしょうか(1つを選択)。

A)2.5倍
B)7.5倍
C)10.5倍
D)20.5倍


【問題4】
 うつ病では多くの場合,睡眠障害がみられます。うつ病に特徴的とされているのはどの形の睡眠障害でしょうか(1つを選択)。

A)過眠(1日10~12時間またはそれ以上眠る)
B)就眠障害(寝つきが悪い)
C)熟眠障害(寝ついても何度も目が覚める)
D)早朝覚醒(普段よりも2時間以上早く目が覚めて再び眠ることができない)


【問題5】
 うつ病に関する次の記述で誤っているものはどれでしょうか(1つを選択)。

A)身体症状としては,食欲低下の頻度が高い
B)精神症状としては,思考抑制(頭の回転が悪くなる)の頻度が高い
C)症状や気分に日内変動があり,午前中はよいが夕方になると悪くなることが特徴である
D)うつ病の原因はまだ解明されていない


【問題6】
 うつ病者の職場復帰に関する次の記述で正しいものはどれでしょうか(1つを選択)。

A)休業前の部署に戻すことが原則である
B)職場復帰するときには抗うつ薬は服用しなくてよい状態になっていることが原則である
C)本人に職場復帰の意思が乏しい場合でも,主治医が復帰可能と診断すれば復帰させることが原則である
D)職場復帰を認めるかどうかの最終的な判断は,産業医が行うことが原則である


【問題7】
 パニック障害に関する次の記述で誤っているものはどれでしょうか(1つを選択)。

A)不安発作は突然起こるが,多くの場合,本人にはその背景要因が自覚されている
B)この病気の中核となる症状は,「またこの発作が起こるのではないか」という不安である
C)心電図などの検査をしても異常所見は出てこない
D)抗うつ薬が有効であることが多い


【問題8】
 ストレスに関する次の記述で誤っているものはどれでしょうか(1つを選択)。

A)心理的ストレス要因の強さを客観的に測定する方法は確立されていない
B)心理的ストレスの場合,ストレス要因を把握するには,本人の話を傾聴することが有用である
C)心理的ストレスの場合,ある事象がストレス要因となるかどうかは,その人の認知のありようで決まる
D)外傷後ストレス障害(PTSD)の原因となるストレス要因はどのようなものであってもよく,その人の認知のありようで決まる


【問題9】
 睡眠に関する次の記述で誤っているものはどれでしょうか(1つを選択)。

A)睡眠時間は人それぞれで,日中の眠気で困らなければ十分である
B)毎朝決まった時間に起床し,起床後早い時間に太陽の光を浴びると寝つきがよくなる
C)寝つきが悪いときは睡眠薬に頼らず,少量のアルコールを飲むほうがよい
D)睡眠中の激しいいびきと呼吸停止は,睡眠の質を低下させ昼間の眠気の原因となる


【問題10】
 VDT(Visual Display Terminals)作業に関する次の記述で誤っているものはどれでしょうか(1つを選択)。

A)瞬きの回数が減少するので目が乾きやすい
B)首,肩,腕,背,腰の筋肉に動的疲労が生じ,こりや痛みの原因となる
C)心理的時間の短縮が生じ,一連続作業時間が長くなる原因となる
D)脳が過覚醒状態になりやすいため,作業終了後すぐには寝つきにくくなる


【お知らせの有無】
ITpro編集部より,この問題の解説記事を公開したときなどにお知らせメールをお送りさせていただきます。

お知らせメールを受け取る



検定問題は1回しか受験できません。慎重にご回答下さい。