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欧米潮流@ネットワーク

ノキアの対iPhone戦略,物量を誇る巨人の臥薪嘗胆

2008/09/12 日経コミュニケーション
出典:日経コミュニケーション 2008年8月15日号p.75
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧
エノテック・コンサルティングCEO
米AZCAマネージング・ディレクタ
海部 美知 エノテック・コンサルティングCEO
米AZCAマネージング・ディレクタ
海部 美知

 米国から遅れること約1年,iPhoneが日本に上陸した。iPhoneが日本市場に開けた小さな風穴から世界市場をのぞくと,米アップルのはるか背後に巨大なプレーヤが見え隠れするはずだ。世界最大の携帯電話メーカー,フィンランドのノキアである。

 ノキアは,世界の携帯端末市場の40%を握っている。欧州発の携帯電話方式GSMは,市場占有率が8割に達する。そのGSMを主力とする同社にとって世界中がマーケットだ。

 現在同社の売り上げトップは中国とインドであり,トップ10にはロシア,インドネシア,ブラジルなどの新興国が並ぶ。2007年の端末販売数は約4億3700万台。日本最大のシャープの国内販売数が1300万台弱なので,ざっと30倍以上の規模である。

ノキアのアキレス腱は米国

 しかし,ノキアは米国での存在感が薄い。米国でのシェアは,過去2年の間に20%から7%にまで落ち込んでいる。低迷の原因は,米国市場での主力である「中位機種」のラインアップが弱いことである。

 音声とテキストが主力の新興国と違い,米国では,写真・動画・音楽対応,折りたたみ式,販売奨励金付き店頭価格200ドル以下といった特徴の中位機種が良く売れる。ノキアのラインアップは下位機種の廉価端末と上位機種の奇をてらったデザイナ端末や超高級スマートフォンに分離してしまい,ちょうど真ん中が抜けている。

規模と物量でiPhoneの挑戦に対抗

 そこへiPhoneが乱入した。iPhoneは,実はノキアの本拠である欧州ではあまり売れていない。それでもノキアは,iTunes Store対抗の音楽オンライン・ショップを立ち上げたり,携帯OSの英シンビアンを買収したりと,iPhone対策に躍起になっている。それは,米国市場でのヒット商品不在を突かれ,さらに同社が携帯電話専業メーカーを脱皮するために力を入れている「小型マルチメディア端末」で正面衝突するからでもある。

 イメージ的にも製品の使用感も,ノキアの製品はiPhoneには到底かなわない。しかし,物量で勝るノキアは,すべての市場で,すべての方式に対応し,すべての新技術や新サービスに対応できる規模と開発力を持つ。ここシリコン・バレーでも,自社ベンチャー・キャピタルを通してNFC(非接触通信)技術の米ビボテックや携帯向け動画プラットフォームの米カイトなどに投資するなど,次世代のネットや無線技術に対応する活動に抜かりがない。

 さらに次世代の携帯では,米国も欧州と共通のLTE(long term evolution)が主流になると見込まれている。米国ではノキアが苦手としているCDMA方式が強く,同社の米国での劣勢の一要因だった。しかし,LTEで欧州と同じ方式となれば,全ラインアップでの展開も容易になる。

 iPhoneとの正面対決という中位機種市場での局地戦ではおそらく負けるだろうけれど,中長期的な全体の戦局においては,ノキアは決して侮れないプレーヤなのである。

海部美知(かいふ・みち)
エノテック・コンサルティングCEO,米AZCAマネージング・ディレクタ
 NTTと米国の携帯電話ベンチャーNextWaveを経て,1998年から通信・IT分野の経営コンサルティングを行っている。シリコン・バレー在住。
 例年のように,夏休みを日本で過ごして戻ってきた。日本はiPhoneと並んで「エコ」が大流行という感想を持った。ここシリコン・バレーでもエコはキーワードだが,産油州など方向性の違う地域も多く,米国全体では日本ほど盛り上がっていない。一斉に同じ方向を向かないのが,米国の強みでもあり弱みでもあると思っている。

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