Windows XPに慣れた人が,Vistaを使い始めて戸惑うのはファイル共有だろう。Vistaでは,ファイル共有の設定方法が大きく変わっている。

 そこで今回は,Vistaでファイルを共有する方法について取り上げよう。前回紹介した「ネットワークと共有センター」を使うオーソドックスな方法を中心に,Vistaで新たに追加された機能,さらには既存のファイル共有にVistaマシンを参加させる際の注意点などを解説していく。

 Vistaでファイル共有をしたいのなら,ネットワークと共有センターを利用するのが簡単だ。ネットワークと共有センターの画面にある「共有と探索」の欄の中に,そのパソコンのファイルを共有するための設定項目が並んでいる(図1)。

図1●「ネットワークと共有センター」の画面からファイルやプリンタなどの共有が設定できる
図1●「ネットワークと共有センター」の画面からファイルやプリンタなどの共有が設定できる
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まずはパブリック・フォルダ共有を使う

 最も簡単なのは,上から3番目にある「パブリック・フォルダ共有」を使う方法だ。パブリック・フォルダ共有とは,あらかじめ共有設定済みの「パブリック」というフォルダを使って,ファイルの共有を実現するものである。パブリック・フォルダ共有を使うには,右側のプルダウン・ボタンを押して,パブリック・フォルダ共有の有効/無効を切り替えるメニューを表示させる(図2)。

図2●「パブリック・フォルダ共有」を使えば簡単に共有できる<br>ネットワークと共有センターでパブリック・フォルダ共有を有効に設定するだけで,パブリック・フォルダに入れた情報がネットワークのほかのパソコンから利用できる。
図2●「パブリック・フォルダ共有」を使えば簡単に共有できる
ネットワークと共有センターでパブリック・フォルダ共有を有効に設定するだけで,パブリック・フォルダに入れた情報がネットワークのほかのパソコンから利用できる。
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 ここが「共有を無効にする」になっていれば,「共有を有効にして,ファイルを開くことができるようにする」か「共有を有効にして,ファイルを開く,変更する,作成することができるようにする」のどちらかを選択する。前者ならばパブリック・フォルダ内の情報を読み取り専用で公開するという設定になる。一方,後者を選ぶと,変更や作成も許可するという設定になる。

 この1カ所の設定だけでパブリック・フォルダは,ネットワークから参照可能な共有フォルダになった。あとは,共有したいフォルダやファイルを,実際にパブリック・フォルダにコピーまたは移動さえすれば,ほかのマシンとの間で共有可能だ。

 ただし,このままの状態ではユーザー名とパスワードの入力が必要となる。もしそれが面倒なら,その下にある「パスワード保護共有」を無効にすればよい。これで,ユーザー名とパスワードの入力を求めずにパブリック・フォルダを利用できるようになる。これは,ちょうどXPで「簡易ファイルの共有」を有効にしたのと同じ状態だ。

 とはいえ,仕事で利用するなら,セキュリティのために面倒でも「パスワード保護共有」は有効にしておきたい。こうすると,あらかじめ登録したアカウントとパスワードを入力しないとパブリック・フォルダを利用できない。