ここでは,ネットワーク・マップのフルマップ表示で,Vista以外のパソコンが下部にまとめて表示される理由について解説しよう。

XPをネットワーク・マップに表示させよう

 実はネットワーク・マップにパソコンを表示させるには,そのパソコンに「link-layer topology discovSery(リンクレイヤー・トポロジー・ディスカバリー)」(LLTD)というプロトコルが実装されている必要がある。LLTDは「Windows Rally」と称されるVistaの新しいネットワーク技術の一つで,イーサネット上でやりとりするMAC(マック)フレームのレベルでネットワーク上のデバイスを検索するプロトコルである。

 つまり,前回記事「ネットワークはどう使う(1)」図2右上のネットワーク・マップにWindows XPパソコンが表示されなかったのは,XPにLLTDプロトコルが搭載されていないからである。マイクロソフトではWindows XP向けなどのLLTD追加コンポーネントを公開している。これをインストールすれば,XPパソコンもネットワーク・マップに表示されるようになるはずだ。

 早速マイクロソフトのサイトにアクセスして,LLTDプロトコルのコンポーネント・ファイルをMainという名前のXPパソコンにインストールしてみた。インストール作業自体は,ライセンスの確認をするだけで,いたってシンプルなものだ。インストール後に,同じLAN上にあるVistaマシンで,ネットワーク・マップを再びフルマップ表示させてみる。すると先ほどまで下の覧に表示されていたMainマシンが,ネットワーク・マップの中に表示されるようになった(図3)。

図3●Windows XPをネットワーク・マップに表示させる<br>マイクロソフトが公開しているLLTDコンポーネントをインストールすればWindows XPがVistaのネットワーク・マップに表示されるようになる。
図3●Windows XPをネットワーク・マップに表示させる
マイクロソフトが公開しているLLTDコンポーネントをインストールすればWindows XPがVistaのネットワーク・マップに表示されるようになる。
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