ネットワーク関連の設定をするならまずは「ネットワーク接続」から──。Windows XPではこれが,お決まりのパターンだった。しかし「ネットワーク接続」の画面は,決して初心者にとってわかりやすいものではないし,その画面を見てトラブルの原因を特定するのも難しい。そこでVistaでは,「ネットワーク接続」の画面を脇役にし,新たな主役を抜擢することにした。それが「ネットワークと共有センター」である。

 今回は,Windowsネットワークのニューフェースである「ネットワークと共有センター」の使い勝手と,その実力のほどを体験してみよう。

ネットワークの構成をビジュアルに表示

 それでは早速「ネットワークと共有センター」を表示させてみる。表示させる方法はいくつかあるが,一番簡単なのは「スタート」の代わりにあるWindowsマークをクリックして,メニューの中の「ネットワーク」を右クリックし「プロパティ」を選択する方法だ図1)。

図1●「ネットワーク」のメニューを右クリックしてプロパティを選ぶと「ネットワークと共有センター」が起動できる
図1●「ネットワーク」のメニューを右クリックしてプロパティを選ぶと「ネットワークと共有センター」が起動できる
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 「ネットワークと共有センター」を開いて最初に目に留まるのが,一番上にある「ネットワーク・マップ」だろう(図2の1)。このネットワーク・マップには,Vistaパソコンがつながっているネットワークがビジュアルに表示される。自分が接続されている状態を視覚的に確認しながら,簡単に状況を診断できるのだ。

図2●Vistaでは「ネットワークと共有センター」からネットワークの状況確認や設定の変更が簡単に可能
図2●Vistaでは「ネットワークと共有センター」からネットワークの状況確認や設定の変更が簡単に可能
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 さらに,右上の「フルマップを表示」をクリックすると「ネットワーク・マップ」という別のウインドウが開く(図2の右上)。そこにはネットワークに接続しているコンピュータやルーター(ゲートウエイ)などのネットワーク機器が,実際のネットワーク構成に沿ってアイコンで表示される。各アイコンの上にマウスのポインタを置けば,IPアドレスなどの情報もポップアップで表示する。

 フルマップ表示のネットワーク・マップをよく見ると,この中に表示されているパソコンはVistaだけ。XPなど,ほかのWindowsマシンは下のほうにまとめて表示している。これは,ネットワーク・マップを作るためにはVistaが備える新しいプロトコルが必要だからだ。このことについては,改めて解説しよう。