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「マスゴミ」と呼ばれ続けて

歩み寄りの精神が導く,より深いfact

 「ネット上にこそ真に迫る事実がある」という批判にも,ひとこと言っておきたい。筆者は,マスコミが発信する情報とネット上の情報は補完関係にあり,優劣を比較すべきものではないと考える。

 例えば,ネット上で批判が相次いだ地上デジタル放送などのコピー制御に用いられる「B-CASカード」。朝日新聞が「会社法違反」とする報道(関連記事2)をしたことをきっかけに,ニュースサイトの「GIGAZINE」も同じように問題点を指摘(関連記事3)し,これを受けて掲示板やウィキペディアでもさまざまな関連情報(関連記事4)が掲載された。ITproでも,この問題について当事者からの証言を取るべく,B-CAS社とNHKへ取材し,記事(関連記事5関連記事6)を掲載。さらに,放送関連の話題に詳しい経済学者でアルファブロガーの池田信夫氏は,これら記事を引用しながら,自身のブログでその解説と分析をなされている(池田氏のブログにおける関連記事)。

 確かに,掲示板などのネット上にはマスコミが報道していない真に迫る事実が存在する。しかし,マスコミが報道することによって明らかになる事実があることも確かなことだ。より多くの事実の積み重ねによって,より深い事実を求めるのならば,両者は共存すべきだろう。さまざまな課題があるのかもしれないが,マスコミを批判する人たちも,一部のネットに批判的なマスコミも,歩み寄りの精神を持つべき時だと筆者は考える。

※          ※          ※

 友人たちから今でも「マスゴミ」と呼ばれ続けている筆者だが,実を言うと,近頃,彼らの発言にさほどカチンとこなくなってきた。つい先日の話だ。

筆者「△×について知りたいんだけど,何か情報ある?」
友人B「お前はマスゴミのくせにそんなことも知らないのか?ググれカス(すぐに質問しないで自分で検索して調べろ)!」
筆者「…」

 相変わらずの反応だが,友人からはすぐに求めていた情報に関する見解と参考情報先のリンクが大量に張られているメールが届いた。そしてその文末には,次のように添えられていた。

「情報提供してやったんだから,ちゃんと取材しろよ!」

 カチンとこなくなったのは,「マスゴミ」と呼ばれつつも,マスコミに対する期待の念が多少なりとも込められていると感じるようになったからなのかもしれない。

(島田 昇=ITpro)  [2008/09/01]

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