対象169社のうち、2007年度に増収となった企業は126社で、全体の74.6%を占めた。前期の73.0%と比べると微増となった。成長性を示す売上高伸び率の平均は4.8%で、前回の5.7%(対象161社)と比べて勢いに陰りが見えてきた。

 成長性ランキングの特徴は、M&A(企業の買収・合併)による増収効果の恩恵を受けた企業が、上位の大半を占めることだ。

 1位のフューチャーアーキテクトは、2007年1月に中堅・中小企業向けERP(統合基幹業務システム)製品を持つウッドランドを吸収合併。以前は顧客の中心が大企業だったが、中堅・中小企業向けのパッケージソフトや受託開発へと事業領域を広げた。2007年度は流通業向けのITコンサルティングも伸びたほか、売上高/経常利益ともに過去最高となった。

●成長性ランキング(1位~30位)<br>・黒文字の会社名は連結決算の企業、青文字の会社名は単独決算の企業<br>・連結初年度の企業は除外した<br>・売上高伸び率は小数点第2位を四捨五入して記載した。ランキングは四捨五入する前の数値で順位を付けている
●成長性ランキング(1位~30位)<br>・黒文字の会社名は連結決算の企業、青文字の会社名は単独決算の企業<br>・連結初年度の企業は除外した<br>・売上高伸び率は小数点第2位を四捨五入して記載した。ランキングは四捨五入する前の数値で順位を付けている
●成長性ランキング(1位~30位)<br>・黒文字の会社名は連結決算の企業、青文字の会社名は単独決算の企業<br>・連結初年度の企業は除外した<br>・売上高伸び率は小数点第2位を四捨五入して記載した。ランキングは四捨五入する前の数値で順位を付けている
●成長性ランキング(1位~30位)
・黒文字の会社名は連結決算の企業、青文字の会社名は単独決算の企業
・連結初年度の企業は除外した
・売上高伸び率は小数点第2位を四捨五入して記載した。ランキングは四捨五入する前の数値で順位を付けている
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 2位の三井情報は、2007年4月1日にネクストコムと三井情報開発が合併して誕生。前回はネクストコムが144位で、三井情報開発は8位だった。前回との比較は、売り上げ規模の大きいネクストコムで行った。今回は、選別受注を進めたことなどを理由に売上高は前期比42.5%増の590億9700万円にとどまった。その一方で、営業利益は同125.3%増の49億5500万円となった。

 3位の丸紅情報システムズは、旧丸紅情報システムズと丸紅ソリューションが2007年10月1日に合併してできた企業。前回、丸紅ソリューションは97位で、旧丸紅情報システムズは143位だった。前回とは、売り上げ規模の大きい丸紅ソリューションで比較した。

 このほか、5位のキヤノンソフトウェア(旧蝶理情報システムを子会社化)や、6位のアイテック阪急阪神(アイテック阪神と阪急ビジネスアソシエイトの情報事業部門が統合)などが、M&A効果で売り上げを伸ばしている。

●成長性ランキング(31位~70位)
●成長性ランキング(31位~70位)
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 ITサービス業界は人手不足の影響もあり、中堅以下の規模のソリューションプロバイダが大きな案件を単独で手掛けるのが難しくなっている。こうした背景もあり、事業領域や顧客層の拡大を狙う中堅規模以上のソリューションプロバイダが、中堅以下の規模のソリューションプロバイダをM&Aで傘下に収めるケースが増えた。

 金融業界の旺盛なIT投資の追い風を受けた企業も上位にランクインした。

 4位のニッセイ情報テクノロジーと16位の住生コンピューターサービスは、年金不払い問題への取り組みが一段落した保険業界が、IT投資に乗り出したことで業績を伸ばしている。

 7位のインフォメーション・ディベロプメントは、M&A効果と金融需要の両方を追い風にして売り上げを増やした。同社は、システム運用に強みを持つ日本カルチャソフトサービスなどを2006年に買収。顧客の過半数を占める金融機関向けのシステム運用サービスを伸ばした。舩越真樹社長は、「金融機関向けの直接契約が多いことに加えて、システムをアウトソーシングするという時代の流れにうまく乗った」と話す。