いや暑いです。梅雨が明けたとたんにこれです。夏ってこんなに暑かったっけ?と毎年思っているような気もしますが,これが地球温暖化というやつでしょうか。というわけで,環境問題についても話題の多い理工書売り場ですが,今月もコンピュータ関連書籍についてお知らせしてまいりましょう。

 7月の月間トップは,6月に続いてまたもや「たった3秒のパソコン術」(三笠書房)でした。その勢いは,現在でも衰えを見せていません。新聞に掲載されていた広告によると,読者の4割が女性ということで,なるほどわかりやすく具体的な内容が女性の皆様の支持を受けているのかもしれません。

 しかしここまでこの本が独走を続けますと,他の出版社も黙っているわけはなく,手ごろな大きさと価格,具体的でわかりやすい内容の類書の刊行が目立ってきました。その中でご紹介したいのが,講談社 ブルーバックスの「仕事がみるみる速くなるパソコン絶妙ちょいワザ164」。月間トップと併せて展開しておりますが,こちらもよく売れております。

 続いて2位が「ITアーキテクトのためのシステム設計完全ガイド2009」(日経BP出版センター)。同書の2008年版も,当売り場では良好なセールスをあげていますが,その第2弾です。ムック形式の書籍ですが,内容はシステム設計について章立てし順を追って解説しています。3位もシステム関連で,「情シスの現場 Vol.001」(翔泳社)。書名通り,情報システムの現場の方の声を多く取り上げた内容になっています。特集は「ベンダーコントロールの極意」です。

 4位は,「グリーンIT完全理解!」(日経BP出版センター)。グリーンITとは,地球温暖化を防ぐITのことで,削減目標の立てられたCO2の排出量はむしろ増加しているのが現実ですが,その増加を押し進めているのが,ITをフル活用するオフィス部門というのが意外な事実。本書は地球にやさしいIT利用を考えるための必読書です。6月の新刊ですが,同時期に刊行された「グリーンIT」(ソフトバンククリエイティブ)と合わせて,良好な売れ行きを示しています。

 5位は,6月にもベストに入っておりました「Googleを支える技術」(技術評論社)。Google関連書籍の中でも抜群の売れ行きと,息の長さで目立った存在です。本書に代表されるように,「Google」という現象を,技術面からとらえた書籍への関心が高いように感じます。8月には同書の姉妹版ともいうべき「サーバ/インフラを支える技術」が刊行され,今後の売り上げに期待が持たれるところです。

 さて,7月11日にはいよいよ「iPhone」が発売され,マスコミでも大きく取り上げられて話題になりました。これを受けて,各出版社で関連書籍の刊行予定が目白押しです。7月末にはまずソフトバンククリエイティブから「iPhone 3G magazine」と「iPhone Start Guide」が刊行されました。果たして書棚の新しい潮流となってくれるのかどうか,正直予断を許しません。来月には詳しくご報告ができると思いますので,ご期待ください。