ネットワーク機器のカタログを見ていたら「RoHS指令」という名称に対応している機器であることがわかった。この「RoHS指令」とは,どのような事項を定めたものか。以下の選択肢から正しいものを一つ選びなさい。

[選択肢]
a. 鉛や水銀など環境負荷物質を一定量以上含んでいないことを示したもの
b. 単位時間当たりの消費電力を示したもの
c. きょう体から発する発熱量を示したもの
d. 他の電子機器への電波障害の影響を示したもの
e. 発火,感電,漏電などの安全性を示したもの

[解説]
 問11の正解は,選択肢aの「鉛や水銀など環境負荷物質を一定量以上含んでいないことを示したもの」です。

 「RoHS指令」は,欧州連合(EU)が実施する有害物質規制のことです。「RoHS」は,「restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment」の略で,「電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する指令」という意味です。

 RoHS指令で規定している化学物質とは,(1)鉛,(2)水銀,(3)カドミウム,(4)六価クロム,(5)ポリ臭化ビフェニール(PBB),(6)ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)──の6種類です。RoHS指令が施行された2006年7月1日以降,EU加盟国内では,これらの化学物質を一定量以上含む電気・電子機器の販売が禁止されています。

 最近は,国内のネットワーク機器でもRoHS指令対応をうたう製品が増えてきました(下図)。国内の企業でも環境にやさしい製品を積極的に採用する動きが見え始めているからです。

RoHS指令対応機器

 ちなみに,国内でRoHS指令と似た規格として,「J-Moss」(JIS C 0950)があります。RoHS指令ではあらゆる電気・電子機器が対象となっているのに対して,J-Mossでは,(1)パソコン,(2)エアコン,(3)テレビ,(4)冷蔵庫,(5)洗濯機,(6)電子レンジ,(7)衣類乾燥機──の7種類の機器だけが対象です。またJ-Mossでは,6種類の化学物質が含まれているかどうかを表示することだけを義務付けています。