インターネット接続用のルーターのカタログを見ていたら「ダイナミックDNS」という記載があった。以下の選択肢の中で,ダイナミックDNSの利用用途として明らかに不適切なものがある。選択肢の中から一つ選びなさい。

[選択肢]
a. DNSの冗長化
b. Webサーバー公開
c. 動的IPアドレスを持つマシン同士のVPN
d. インターネットを使った電話
e. インターネットを経由したカメラ監視

[解説]
 問9の正解は,選択肢aの「DNSの冗長化」です。

 ダイナミックDNSは,マシンに割り当てられたIPアドレスが変わっても,ドメイン名とIPアドレスを自動的に対応付けるしくみのことです。DNSサーバーに最新のIPアドレスを登録することにより,動的IPアドレスが割り当てられる環境であっても,いつでもドメイン名を使ってインターネット上の特定の機器にアクセスできるようになります。

 インターネットで通信をする場合,通信相手を識別するためのIPアドレスが定まっている必要があります。例えば,Webサーバーの公開,VPN接続,インターネット電話,インターネットを介したカメラ監視――などを利用するときは,これらの機器のIPアドレスが定まっていないと,インターネット上から通信できません。

 こうしたとき,ダイナミックDNSを利用すると,IPアドレスが動的に変わる状態でも特定のドメイン名で機器にアクセスできるようになります。IPアドレスが一つ割り当てられる一般的なインターネット接続サービスは,動的IPアドレスの場合がほとんどです。そのため,こうした環境でサーバーを立てたりVPN接続をしたりするときにダイナミックDNSを使います。

 ダイナミックDNSのサービス自体は,機器メーカーやプロバイダなどが提供しています。また,フリーのサービスも存在します。

 なお,DNSの冗長化を行う場合には,プライマリDNSサーバーやセカンダリDNSサーバーと呼ばれるDNSサーバーを複数配置して運用します。これは,ダイナミックDNSとは関係ありません。

 以上より正解は,選択肢aです。