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専門家を積極活用、人材育成にも目を

2008/11/04
出典:日経コンピュータ 2007年12月10日号  pp.172-175
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

CIO(最高情報責任者)の必要性は理解しても、現状は適任者がいないと悩む声は多い。打開策として、まずは、社外の専門家に協力を仰ぐことを検討したい。一方、中期的視点に立ち、社内の人材を育成することも忘れてはならない。

 「うちはここで勝負するんだ」と先頭に立つ社長、業務やITの広い見識を持つCIO(最高情報責任者)。両者が力を合わせ、即断即決で改革やIT経営に挑むことが、大企業にも勝る強さの源になることを前回で確認した。

 ただし、戦う中小企業にこそCIOが不可欠だと理解はしても、社内に適任者がいないし、育成にも時間がかかると悩む経営者は少なくないだろう。ここで現実解として浮上してくるのが、外部の専門家の力を「一時的に」借りるという方法だ。手前味噌ではあるが、経営とITという観点では、ITコーディネータとタッグを組むのが有効な手段の1つとなる。

 事実、ITコーディネータとの協力体制の下で独自の競争力を発揮し始めた企業の実例が出てきている。本連載の第2回で取り上げた東海バネ工業(大阪市)は、それまで未知の分野だったWebマーケティングに挑んで新規顧客の獲得に成功した。また本稿執筆陣の一人である田中渉氏が支援した北光金属(埼玉県志木市)は、生産プロセスの「見える化」によって攻めの経営体質が根付きつつある。ほかにも、ITコーディネータ協会のWebサイトには、いくつもの成功事例が集まってきている。

専門家を積極的に活用しよう

 実際にITコーディネータを活用するとなると、いくつかのパターンが考えられる(図1)。中でも経営革新のスピードアップを最優先するとなれば、「経営者を補佐する外部CIOとしてITコーディネータを活用する」方法がある。しかし、中期的視点に立つならば、社内の人材育成も同時に進めたいところだ。この点では、「CIOを補佐、育成する役割としてITコーディネータを活用する」「CIOとして社内でITコーディネータを育成する」「経営者が自らIT コーディネータとなりCIOとして機能する」などの方策も視野に入れたい。

図1●ITコーディネータ(ITC)の活用パターン
[画像のクリックで拡大表示]

 では、どうすれば自社ニーズに合ったITコーディネータと出会えるのだろうか。一番のお薦めは、直接会って“相性”を確認する方法だ。この場合、IT経営応援隊が全国で展開している「経営者研修会」「CIO育成研修」に参加するのが手っ取り早い。先に触れた北光金属が、田中渉氏と出会ったのも「経営者研修会」だったという。

 研修会の講師を各地のITコーディネータが担っており、いずれの研修会も、ITコーディネータの支援プロセスを体験できるものになっている(図2、3)。具体的に何をしてくれるのか、自社での展開イメージもわくだろう。

図2●「経営者研修会」のカリキュラムの例(1)
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図3●「経営者研修会」カリキュラムの例(2)
[画像のクリックで拡大表示]

 簡単に内容を紹介すると、「経営者研修会」は、経営戦略からIT経営企画までの「儲けのストーリー」をケーススタディで疑似体験した上で、自社の戦略も策定するものだ。「CIO育成研修」は、経営戦略からIT経営企画までの一連の手順を理解した上で、詳細要件への落とし込みや、RFP(提案依頼書)のとりまとめを体験する(次ページの図4)。期間はおおむね2〜5日で、中には1日限定や、じっくり10日におよぶものもある。実施時期、内容などの最新情報はIT経営応援隊のウェブサイトで確認できる。

図4●「CIO育成研修」カリキュラムの例
[画像のクリックで拡大表示]

 また、各地の中小企業支援センター、商工会議所など中小企業支援機関には「専門家派遣制度」があり、多くのITコ ーディネータが専門家として登録されている。身近な支援機関に問い合わせると、制度の詳細を説明してくれる。

 全国に約6000人いるITコーディネータは、各自がさまざまな背景を持ち、それぞれに得意業種や得意分野がある。例えば財務管理、内部統制、生産管理、SCM、人事マネジメント、ナレッジマネジメント、業務の見える化、技能継承、販路開拓、ビジネスブログの活用、システム運用、セキュリティ…。自社のニーズにぴったりの腕利きITコーディネータを見つけることができれば、改革のスピードを加速することができるだろう。

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