NTTドコモが2008年6月下旬から開始した「ホームU」は,FOMA/無線LANデュアル端末「N906iL onefone」を使い,家庭内で無線LANを使った高速パケット通信を可能にするサービスだ。コンシューマ向けでは初となる同社のFMCサービスを検証してみると,そこからNTTドコモの真の狙いが見えてきた。

 NTTドコモの「ホームU」は,最大54Mビット/秒の無線LAN(IEEE 802.11a/b/g)機能を備えたFOMA/無線LANデュアル端末「N906iL onefone」(写真1)を使ったサービス。月額1029円の利用料を支払うことで,自宅から無線LAN経由のiモード・パケット通信が無料になる。さらに無線LAN経由で050番号のIP電話としても利用でき,ホームUユーザー向けの通話が無料,それ以外への通話は通常よりも約3割安くなる。

写真1●ホームUの利用に必要な,無線LANルーター(左)とFOMA/無線LANデュアル端末「N906iL onefone」(右)<br />検証には,無線QoSに対応したバッファローの無線LANルーター「AirStation WHR-G」と,NTT東日本のBフレッツ・マンションタイプを利用した。
写真1●ホームUの利用に必要な,無線LANルーター(左)とFOMA/無線LANデュアル端末「N906iL onefone」(右)
検証には,無線QoSに対応したバッファローの無線LANルーター「AirStation WHR-G」と,NTT東日本のBフレッツ・マンションタイプを利用した。
[画像のクリックで拡大表示]

 ホームUの利用には,無線QoS(quality of service)に対応した無線LANルーターと,PPPoEマルチセッションに対応したブロードバンド回線が必要になる。現時点で対応する回線は,NTT東西のBフレッツやフレッツ・ADSL,NTT西日本のフレッツ・光プレミアムに限られる。NTTドコモの携帯電話網とPPPoEを使って常時接続するため,マルチセッション対応でないと他の機器でインターネットを利用できなくなるからだ。

 無線LANルーターの設定はまずパソコンから実施する。専用ソフトを使い,ウィザード形式で設定が完了する(写真2)。無線LANルーターとN906iLをUSBケーブルで接続することで,NTTドコモの携帯電話網に接続するためのアカウントがルーター側に自動的設定され,N906iLとルーター間の無線LAN設定も自動的に終わる。

写真2●パソコン上で専用ソフトを走らせることで自動設定<br />自動的にPPPoEの接続先と端末と無線LANルーター間の接続設定をしてくれる。
写真2●パソコン上で専用ソフトを走らせることで自動設定
自動的にPPPoEの接続先と端末と無線LANルーター間の接続設定をしてくれる。
[画像のクリックで拡大表示]