Take1:Microsoft,年間25億ドルの資金をGoogle対抗策に投入

 米Microsoft最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏は2008年7月第4週,アナリスト向け年次総会の場で米Google対抗策を説明した。これまでの対抗計画は,本質的な問題の周囲を騒がしく駆け回るだけで,あいまいな指針しか示さず,よく分からない対策をとっている,というように見えた。ところが今回は違った。同氏によると,Google関連の研究開発作業に年額25億ドルの資金を投入するという。

 同氏は「この分野でGoogleよりも大きな規模になるまで,(研究開発に対する)投資を止めるわけにはいかない」と述べた。筆者からは同氏に「規模を上回ることしかできないのか」といってやりたい。

Take2:Microsoft幹部のYahoo!買収に臨む姿勢,「もう終わり」とするCEO,異なる見解のCFO

 MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏と同社幹部たちは,泥沼の昼メロ状態となっている米Yahoo!買収劇に堂々と触れ,「Yahoo!の件はもう『終わり』」とした(一般ユーザーも同じように考えている)。

 Ballmer氏は「うまい解決策が見つからなかったから,終わりにしよう。これで前に進める」と述べたが,ほかの幹部たちはそこまで楽天的でなかった。最高財務責任者(CFO)のChristopher Liddle氏は,これまで退路を断って買収計画に臨んでいた。

 Liddle氏はYahoo!を「減退しつつある資産」と称し,「時間が過ぎるにつれて価値が損なわれた」と話した。「Yahoo!買収のチャンスは……とても小さくて,基本的にごくわずかだと思う」(同氏)

 なんということだ。Liddle氏は今でも確率は小さいながら,Yahoo!を買収できると考えているのか。

Take3:Microsoft,検索サービス強化活動の矛先をFacebookに

 Microsoftは,Yahoo!との取引が(恐らく)実現しない状況となり,Googleのオンライン検索事業と対抗するための,より従来型の代替策を選ぶ必要に迫られた。つまり,金を出して市場シェアを獲得するのだ。

 手始めに,成長著しいソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米FacebookにWeb対応サービスとオンライン広告を提供する。(Facebookにとっては不幸なことだが)Facebookは2年前からMicrosoftとこの種の契約を結んでいる(関連記事:Microsoft,大手SNSのFacebookで文脈型広告を独占提供へ)。

 Microsoftは,送金の遅れにいらだっているマフィアのボスと同様,Facebookに不意打ちをかけて要求を通そうというのだ。Microsoftが見返りも期待せずFacebookに2億4000万ドルもの資金を投資したとはとても考えられない(関連記事:Microsoft,SNSのFacebookに2億4000万ドル出資)。