IT機器について、全庁的なルールに沿ってグリーン購入に取り組んでいる自治体は16.8%――。日経BPガバメントテクノロジーの調査で地方自治体の取り組みの実態が明らかになった。

 日経BPガバメントテクノロジーは、市区町村の情報化進展度をアンケート結果から評価する「e都市ランキング」調査を実施した。2008年は5月末時点での取り組みについて、全国の市町村と東京23区に対して調査を実施した。回答したのは1481の自治体(回答率は81.8%)。

 「グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)」は、環境負荷の少ない持続可能な社会の構築などを目的に、国等の公的機関が率先して環境物品等(環境負荷低減に資する製品・サービス)の調達を推進するために定められ、2001年4月から全面施行された。地方自治体のグリーン購入は努力義務とされている。IT機器に関しては同法の定める特定調達品目のうち「OA機器」のカテゴリーに含まれている。

 調査でIT機器のグリーン購入についてたずねたところ、46.0%の自治体が「ほとんど取り組んでいない/分からない」と回答した。「ルールに従って全庁で購入」と回答した自治体は16.8%、「部署ごとの判断でグリーン購入に取り組んでいる」は31.3%だった。これに「ルール化されているが全庁でルールに従って購入しているかは把握していない」と回答した5.9%を加えても、IT機器のグリーン購入に取り組んでいる自治体は54%にとどまる。

図●自治体におけるIT機器のグリーン購入
図●自治体におけるIT機器のグリーン購入

 この調査結果は、環境省が今年6月に発表した「平成19年度 地方公共団体のグリーン購入に関するアンケート調査」の結果とはやや異なる傾向となった。環境省の調査では、OA機器のグリーン購入について、74.1%の自治体がなんらかの形で取り組んでいると回答していた。

 両調査結果の数値の差(54%と74.1%)は、どこに起因しているのだろうか。断定はできないが、回答部門の違いが影響していることも考えられそうだ。環境省の調査は自治体の環境担当部局または調達担当部局に対して実施されたのに対し、e都市ランキングの調査は主に情報システム/情報政策部門が回答している。つまり、各自治体としてのグリーン購入の取り組みが、情報システム/情報政策部門に対して十分に伝わっていなかった可能性があるのではないだろうか。

 なお、今年の「e都市ランキング」のランキング結果は、7月29日に「ITpro 電子行政」で公開する予定である。