「6万円とは思えない」「高級そうに見える」。HP Miniの実機を目にした人は必ずこうした感想を漏らす。

 6万円という価格とは裏腹に、HP Miniに「チープ感」はない。きょう体にはアルミニウムを多用。外装は角を落とした上に過度な光沢を抑える処理を施してあり、「iPod」に通じる質感を漂わせる。「積極的に持ち歩きたくなるデザインを目指した」と岡隆史 副社長は強調する。

 大きさは本誌よりも一回り小さいほど(図2左上)。最厚部で35.5mmとやや厚みがあるが、ビジネスバッグに入れて持ち歩くのが負担になるほどではない。

図2●HP Miniの概要
図2●HP Miniの概要
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 だが「意外に重い」との声がよく聞かれるのも事実。今回、複数の企業のIT担当者に1時間程度ずつ実機に触れてもらったところ、そろって「ずっしり感」を指摘した。

 HP Miniの重さは1.27kg(標準バッテリー使用時)。一般的なB5判ノートとほぼ同じだが、「見た目が小さい分、手に取ると余計に重く感じてしまう」(アステラス製薬の塩谷昭宏コーポレートIT部インフラグループ課長)。

 日本市場では松下電器産業の「Let's note」を筆頭に1kgを切る超軽量ノートは珍しくない。それだけに外出の多い営業担当者に携行させるには、HP Miniの1.27kgは微妙なライン。最後の決め手は、おおむね20万円前後する超軽量ノートとの価格差を各企業がどう判断するかだろう。

 オフィスでの使用が中心ならHP Miniは有力な選択肢になる。「外付けのディスプレイとマウスをつないでもらえば、ほとんど違和感なく利用してもらえるのでないか」。日本HPの菊地プロダクトマネージャはアピールに余念がない。

■変更履歴
本文中「Letfs note」とありましたが「Let's note」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/09/03 19:40]