パソコンやディスプレイとエコゆうパック伝票の内容をチェックして合っていれば,特に問題はない。厄介なのは,内容が違う場合だ。「よくあるのは,伝票の貼り間違い」(延吉センター長)という。例えば,パソコンとディスプレイを同時に出した場合,それぞれの伝票を逆に貼ってしまう人がいるらしい。

 その場合は,メーカーに連絡して確認する。「すると,迷子同士が見つかったりするんです」(延吉センター長)。メーカーに問い合わせて伝票の内容と合わないもの同士を突き合わせていくと,同じユーザーから回収したパソコンとディスプレイが見つかったりするそうだ。その場合は,それぞれの伝票にひも付けられている情報を書き換えればいい。

 ただ,これは同じメーカーの機器同士だった場合に限ったこと。パソコンとディスプレイのメーカーが違う場合はメーカー間で情報が共有されていないため,なかなか伝票の内容と合うパソコンやディスプレイが見つからない。ユーザーまでさかのぼって,やっと伝票の内容に合う機器を見つけ出すこともあるという。

 思わず,「そこまでしなきゃいけないものですか?」と聞いてみた。すると,延吉センター長からは「パソコンはハードディスク(HDD)などに個人の情報が含まれる場合もありますし,お金をいただいて預かったものですから,きちんと管理しないとね」との答えが。うむ,PCリサイクルに出すときは,伝票の貼り間違いにはくれぐれも注意しよう。

 こうして突合を終えたパソコンやディスプレイは,メーカー別,種類別に振り分けられ,各メーカーが契約する再資源化施設に送られる。山九の倉庫内には,「メッシュパレット」と呼ばれるかごがたくさんあり,それぞれに再資源化施設の名札がかかっていた。この中に,パソコンやディスプレイを入れて運ぶのである(写真6)。

写真6 行き先となる再資源化施設ごとにメッシュパレットを用意。その中にパソコンやディスプレイを入れる
写真6 行き先となる再資源化施設ごとにメッシュパレットを用意。その中にパソコンやディスプレイを入れる
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