写真1●Google Mapsを操作しているところ
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写真2●フォトフレームにもなる
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 記者は,チョット変わったハード機器が大好きである。先日は,片手で本体を握ったまま走ることができそうなPCを紹介した(関連記事「超軽量パソコンを握ってみるテスト」)。

 その後,またまた興味深いデバイスを見つけた。その名は米国で発売された「chumby(チャンビー)」(写真1写真2)。chumbyは,「ウィジェット」と呼ぶ小型のアプリケーションを実行する専用機である。ウィジェットとは,米Googleのポータル・サービスであるiGoogleの「ガジェット」や,Windows Vistaの画面右に表示する「時計のアプリケーション」をイメージすれば理解が早い。

 単にウィジェットを動作させるだけであれば,一般のパソコンでも可能だ。chumbyは,従来のパソコンにはない特徴をいくつも備えている。例えば,chumbyにはキーボードが付属しない。タッチ・パネル機能付きの3.5インチ液晶モニターを指で押して操作する。本体の傾きや動きを検知するモーション・センサーを内蔵しており,本体を握って傾けたり揺すったりすると,それに応じてウィジェットが動作する。

 chumbyを語る上で外せない特徴の1つが「ハッカブル」な点だ。chumbyは,組み込みLinuxを搭載しており,OSや電子回路図に至るほぼすべての仕様がネット上に公開されている。ユーザーのやる気次第で,chumby用のアプリケーションを開発したり,ハードウエアを改造したりできる(写真3)。

 特徴が満載のchumbyだが,記者が一番興味を惹かれたのは,機器本体が合成皮革で包まれている点である。パソコンなどのハード機器は,きょう体がプラスチックや金属でできておりゴツゴツしているのが一般的だ。その常識を覆し,chumbyは触るとフワフワしている(写真4)。片手に乗る本体は奇抜なデザインで,1998年にブームを巻き起こしたiMac G3を彷彿とさせる。

写真3●中身はLinux。Chubyにログインしたところ   写真4●握るとフワフワしている
写真3●中身はLinux。Chubyにログインしたところ
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  写真4●握るとフワフワしている
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 記者は,ネット上でchumbyの情報を収集しているウチに,触ってみたくて居ても立ってもいられなくなった。普段なら,ネット通販サイトで在庫状況を確認し,「購入ボタン」をプチッと押すところだが,今回はそうはいかない事情があった。国内には,chumbyを販売している正規代理店がなかったのだ。

正規代理店が登場

 chumbyを開発している米Chumby Industriesは,同社のWebサイト上で,ネット通販サービスを提供している。ただし,「発送先が米国内に限られる」などの制約があり,国内ユーザーは同社サイトからchumbyを購入できない。

 通常の方法で買えないことが分かると,余計に欲しくなる。そこで,並行輸入の手続きを代行してくれるサービスを利用することにした。米国在住のユーザーにchumbyの代理購入を依頼し,日本に発送してもらう仕組みだ。GoogleやYahoo!などの検索サイトに「輸入 代行」などのキーワードを入力して検索すれば,こうしたサービスを提供している会社が簡単に見つかる。期待と不安が入り交じりながら手続きを終えた。

写真5●chumbyの付属品一式。本体と電源アダプターに加え,ストラップが付属する
写真5●chumbyの付属品一式。本体と電源アダプターに加え,ストラップが付属する
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 手続きしてから2週間ほどたったある日,chumbyが到着した。早速,梱包を解いて中を確かめる。chumby本体とアダプタに加えて,ユニークなストラップが3つも付属している(写真5)。見ているだけでワクワクしてくる。噂に違わず,chumbyはフワフワしていた。chumbyを手に他の編集部に出向き,知り合いの記者に見せびらかしたのは言うまでもない。

 今回,苦労して手に入れたchumbyだが,正規代理店の登場で入手しやすくなりそうだ。Webコンテンツ開発などを手掛けるジークスが,Chumby Industriesと代理店契約の手続きを進めている。早ければ2008年8月にもchumbyの販売を開始する。

 chumbyの魅力や楽しみ方については,日経Linux8月号(7月8日発売)でトコトン紹介している。chumbyが国内で発売されていない時期に,ハッキング方法まで報じるモノ好きな雑誌は他にないと自負している。新しモノ好きの方であればワクワクすること請け合いだ。雑誌名の頭に“日経”が付くからといって小難しい内容ではない。百聞は一見にしかず。書店でパラパラめくっていただければ幸いである。