小林 信次
マークアップ・エンジニア
小林 信次 茨城県出身。1980年生まれ。専修大学経営学部卒業後,1年弱のニート生活を経て販売代理店の営業職を経験後,有限会社アイエイトワンに入社。主に,Webディレクション,マークアップを務める傍ら,講師活動・執筆活動を行う。allWebクリエイター塾ではCSS講習の講師。著書に「XHTML&CSSデザイン |基本原則,これだけ。」(共著,MdN発行)がある。

 弊社は土日が完全休日なのではありますが,まぁ,それはそれで,休日も見事にガッツリとマークアップしているわけです。今回は,以前に行っていた案件(マークアップのみの案件)があまりにもヒドイのでは?ということで,「マークアップする人から見た,こんなディレクター(案件の進め方)は嫌だ!」ということを書き連ねて行きたいと思います。

1. サイトマップが見づらい

 クライアント様にお見せするという理由から,サイトマップをとてもビジュアル豊かにされるのは良いのですが,それでいて,ファイル名・ディレクトリ構造・キーワード・ディスクリプションなど,マークアップ段階では参照必須な項目が含まれていない。そのうえ,ビジュアル豊かであるがゆえに無意味に行をあけていたりして,とても見難いものになってしまっている。しかも,マークアップ作業に入っているにもかかわらず,ちょこちょこと変更が起きる。さらに,その変更を逐一報告してくれない。

2. それってWebサイトをデザインされたんですか?

 小さな案件では,ディレクター(もしくはビジュアルデザイナー)がアートディレクションを兼務することがほとんどですが,あがってきたデザインがマークアップ側からするとヒドイ状況。例えば,なんでこのページの写真の一覧と,このページの写真の一覧の見せ方がこんなにも違うの?まった同じ役割のものですけど…とか,この2pxの差はなんなんだ!とか。平たく言ってしまえば,これ見ための都合だけで作っただろ!というデザインが上がってくる。しかも,サイト内のリンクテキストのデザインすら統一されておらず,「リンクテキストは全体的にこう統一しませんか?」と提案すると「あー,じゃそれでお願い」とか言ってくる。

 さらに,すべての文字にアンチエイリアスがかかっていて,どこがテキストで,どこを画像にすれば良いのかがわからないうえ,こちらから確認しなければその指示も来ない。

3. デザイン提供が遅れるうえに納期の変更がきかない

 今週までに,ここまでお送りしますので!と聞いていたものが,待てど暮らせど,若干アオッても,全く来ない。プロジェクト始動段階で,デザイン提供の遅れは,納期の遅れに繋がりますということをいくら説明してもまるで無関心。実際に遅れているにもかかわらず納期がズレない。

4. 素材が提供されない

 マークアップに必要なテキスト素材などが用意されていない。挙句の果てには,デザインモックから抽出してよ!と言われる始末。ファイル形式を決めて,別途管理しておいておくと良いですよね,と伝えても「あー,うんうん」とかでスルー。

5. 本当に何も決まっていない(というか決められない)のに,納期間際で変更がある

 文字コード,(X)HTMLのバージョン,印刷用CSSの適用,ターゲットブラウザ,画像や(X)HTMLファイルの命名規則,アクセシビリティへの取組み具合などなど,聞いても何もない。ではこれこれで進めます,という確認のもとで進めていたのに,納期間際でやっぱりこれはこうしてね,と言って来る。

 などなど,ざっとあげてはみたものの,まだまだものスッゴイありますよね。皆さんはそんな体験,ありますか?