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京大が“学内環境税”を開始,エネルギー使用実績で徴収
出典:日経エコロジー 2008年6月号
15ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
京都大学は4月から、前年度のエネルギー使用実績に基づいて各部局に支払いを求める「環境賦課金」を開始した。いわば学内環境税であり、毎年1%(原単位)のCO2削減目標を達成するための施策に位置付ける。 京都大学は2007年4月にまとめた「省エネルギー推進方針」で、建物の省エネ改修により、単位面積当たりの温暖化ガス排出量と消費エネルギー量を毎年1%減らす目標を掲げた。これまでも大学本部は、単年度で数千万円単位の予算を確保し、省エネ改修を実施してきた。 だが、京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻の吉田治典教授は、「大学は縦割り組織なので、従来のスポット的な対策では不十分。目標達成には大学全体で継続的に対策する枠組みが必要だった」と振り返る。 そこで、環境対策を専門とする研究者や大学本部の担当者が集まり、1年かけて検討を重ねた。その結果、省エネ改修で1%削減するには年間2億4000万円かかるという試算をはじき出した。過去の省エネ改修時の予算と効果を検証し、既存の建物の省エネ対策の現状と突き合わせて算出。さらに、毎年確実に2億 4000万円を確保する手法として「環境賦課金」にたどり着いたのだ。 エネルギー料金の数%を負担環境賦課金の仕組みはこうだ。まず、大学本部と学部や研究科などの部局が、それぞれ1億2000万円ずつを拠出する。部局全体での拠出額が1億2000万円で、文学部や工学部といった部局ごとの負担額は、前年度に使用したエネルギー量に応じて定める。電気は1kWh当たり0.5円、ガスは1立法メートル当たり 1.5円、水道は1立方メートル当たり10円で、使用料金の4〜5%に相当する。エネルギー使用実績に応じて支払う“学内環境税”というわけだ。京都大学大学院経済学研究科の諸富徹准教授は、「確保したい金額から逆算して税率を決めるやり方は、環境税の導入手法としてはオーソドックスなもの」と説明する。
各部局に費用負担を納得してもらうために、環境賦課金の使途と割り当て方法にも工夫を施した。各部局が出した資金は、そのまま自分たちの省エネ改修費になる。さらに、改修内容の提案次第で、大学本部からの資金が上乗せされる。「拠出した資金の使途が明確で、かつ自分に戻ってくる点が学内の賛同を得られた理由だ」(吉田教授)。エネルギー使用量の大きな部局から重点的に対策できる上、各部局にとっては省エネのインセンティブにもなる。 省エネ改修による効果の検証は、吉田教授や諸富准教授など環境分野のスペシャリストと大学の施設部などのメンバーが集まる委員会が担う。環境賦課金の手法は、企業内での対策にも参考になりそうだ。 連載新着記事一覧へ >>
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