新しいブラウザは,必要なサイトに素早くアクセスするための機能の充実が図られている。Firefox 3の「スマートロケーションバー」とOpera 9.5の「クイックファインド」だ。Webサイト検索機能とブラウジング履歴管理機能の拡張により,Webサイトを探す際の手間を省ける。

 例えば現状では,以前に1回だけアクセスしたことがあるサイトにもう一度アクセスする場合,URLの一部をアドレスバーに入力するとアドレス自動補完機能が働く。ただしはっきり覚えておらずブックマークにも登録していなければ,検索エンジンを使うことになる。

ブラウジング履歴をデータベース化

 スマートロケーションバーとクイックファインドは,過去にアクセスしたサイト,つまりブラウジング履歴をデータベース化し,それを自動検索する仕組みである。アドレスバーでキーワードを1文字でも入力すると,自動的にデータベースを検索し,そのキーワードを含むページのタイトルとURLを一覧表示する(写真1)。

写真1●履歴から過去にアクセスしたページを素早く検索
写真1●履歴から過去にアクセスしたページを素早く検索
Firefox 3とOpera 9.5は履歴を蓄積できるデータベースを搭載しており,これを活用する。

 Firefox 3の場合,オフライン機能でも使う簡易データベースSQLiteを使ってブラウジング履歴を管理する。Opera 9.5のクイックファインドも同様だ。大量に登録されたブックマークの中からURLを探し出す必要はないし,わざわざ検索サイトで探す必要もない。

 Firefox 3にはアドレスバーに関連して,ほかの機能も実装されている。アドレスバーから検索エンジンとキーワードを指定して,ダイレクトに検索要求を送る機能である。

 例えば「Amazon.comなら“a”」,「楽天なら“r”」というように,あらかじめ検索サイトやECサイトの検索機能のショートカットを設定し,アドレスバー上で“a(ショートカット)キーワード”などと入力する。すると,自動的にショートカットで指定したサービスにキーワードや商品の検索要求を送る。この機能を使うと,検索バーでわざわざ検索したいサイトを切り替えたり,目的とするサイトにアクセスしたりすることなく検索を実行できる。「ショートカットは,ユーザーが追加することも可能だ」(Mozilla Japanの吉武茂ゼネラルマネージャ)。

 Safariの「Snapback」は,リンクをたどりすぎて最初のページに戻りにくくなったときに重宝する。「ワンクリックで,URLを入力してアクセスしたページに一気に戻る」(アップルの櫻場浩OS/ソフトウェアプロダクトマネージャー)。