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本連載では,ASP.NET 3.5をLAMP(Linux,Apache,MySQL,PHP)環境と比較しながら解説しています。本連載で使用しているVisual Basic(VB)2008とPHPとの違いもさることながら,統合開発環境であるVisual Studio 2008は多機能で,便利なASP.NET関連コンポーネントを多数備えている半面,学習に必要な時間を増やす原因になっているとも言えるでしょう。
ソフトウエア部品が少なければ,覚えることも少なくても済むのですが,そのぶんプログラム・コードをたくさんゴリゴリと書かなければなりません。ですから,Webアプリケーション開発で楽をするためには,ソフトウエア部品の使いこなしを覚えることが大切です。
そこで,今回はデータバウンド・コントロール(データ連結コントロール)を紹介します。その名の通り,何かのデータとバインドするときに使います。ここではSQL Server 2005のデータベースと連結したいと思います。
SQL Server 2005について
SQL Server 2005には,表1のようにEnterprise,Standard,WorkgroupとExpressの四つのエディションがあります。どのエディションを使っても構いませんが,本連載では無償でダウンロードできて,再配布も可能なExpress Editionを使います。
表1●SQL Server 2005の各エディション | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Express Editionには,最大メモリーの制限とデータベースの最大容量の制限がありますが,学習用に使うには全く問題ありません。それどころか,小規模なアプリケーションなら実運用も可能な場合があるでしょう。
また,データベース管理ツールであるManagement Studioは付属していませんが,Express Edition用の管理ツールMicrosoft SQL Server Management Studio Express(SSMSE)を無償でダウンロードして使うこともできます。データのインポート/エクスポートについても別途ツールが用意されています。
Express Editionのダウンロードやインストールについての説明は省略します。ここでは,すでにインストール済みで,図1のようにSQL Server(SQLEXPRESS)がサービスとして起動しているという前提で解説を進めます。
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図1●SQL Server(SQLEXPRESS)がサービスとして起動している [画像のクリックで拡大表示] |
サーバーとローカルの2種類のデータベースを作れる
Visual Studioでは2種類のデータベースを作成できます。サーバー・データベースとローカル・データベースです。
サーバー・データベースを作成するには,サーバーエクスプローラ上のデータ接続を右クリックして,[新しいSQL Serverデータベースの作成(N)]を選択します。
図2●サーバーエクスプローラ上の「データ接続」を右クリック |
「サーバー名(E)」でSQLEXPRESSを選択して,「新しいデータベース名(D)」を入力してOKをクリックします。
図3●サーバー名とデータベース名を入力 |
これでサーバーエクスプローラに新しいデータベースMyServerDBが追加されます。データベースにテーブルを一つ作成しましょう。テーブルを右クリックして[新しいテーブルの追加(T)]を選びます。
図4●「テーブル」を右クリック |
SQL Server 2005 Express Editionを使っていても,テーブルの作成やデータの入力がVisual Studioからできるので不便を感じませんね。
下記のように品目テーブル(表2)を作成し,レコードを数件登録しておきましょう。
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図5●テーブル(定義)を作成 [画像のクリックで拡大表示] |
図6●レコードを数件入力したところ |
表2●品目テーブル(hinmoku)の定義 | |||||||||
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