プロジェクト・マネージャ(PM)には、高いレベルの交渉力が必要です。「厳しい要望をどこまで受け入れるか客先と交渉する」「開発方針に従わないメンバーを説得する」「協力会社に要員入れ替えを要求する」といった仕事の成功・失敗を左右しかねない場面で発揮するスキルだからです。

 では交渉力があるPMになるためには、どのような要素が必要なのでしょうか。私は「信頼」「論理」「感情」の三つの要素が必要だと考えています。一つ目の信頼とは、この人なら頼れると思われる行動をとり続けること。次の論理では、主張やその根拠が明確なこと。三つ目の感情では、理屈(論理)だけでなく、関係者一人ひとりの感情に配慮すること――がそれぞれ重要なのです。信頼と論理、感情。この三つがバランス良くそろっているPMは多くありません。この三つを忘れず、丁寧に交渉をすることを忘れないようにするために、「う」はこのフレーズを選びました。

う
図●うまい交渉「信頼、論理、感情」!
芦屋 広太(あしや こうた)
システムアナリスト/IT教育コンサルタント。SE,PM,システムアナリストとしてシステム開発・システム統合などを経験。この過程で調査・分析した内容を「ヒューマンスキル教育」としてモデル化。現場での教育,雑誌・書籍の発表,セミナー・研修に利用する。