Linux環境を持っていない場合は,Fedora 9のインストール方法を読んで,先にLinuxの導入を済ませておいてほしい。

 ここでは,Fedora 9をインストールした状態から,Ruby on Rails(以下Rails)をインストールし,Webアプリケーションをテスト稼働させるまでの手順を解説する。データベースにはSQLite3を用いる。なお,「1分で作る」というのは,Railsのインストール時間は含まない。Rails環境を一度インストールすれば,後は「瞬時にアプリケーションを作成できる」というのがRailsの一つのウリだからである。

 Fedora 9にログインして,コマンド入力用の端末を起動する。デスクトップ画面の「アプリケーション」-「システムツール」-「端末」を選べば起動できる。

 まず,端末から「yum」というコマンドを用いて,次のようにCのコンパイラとRuby本体とSQLite本体,Rubyの開発環境およびSQLiteの開発環境を導入しておく。Fedoraをインストールする際に既に開発環境を導入しているなら,ここでgccは不要だ。なお社内LANなどプロキシ・サーバーを介した環境にある場合は,/etc/yum.confにproxy=http://proxy:8080を記述するなど必要なプロキシの設定を施しておく。

$ su
# yum install gcc ruby sqlite ruby-devel ruby-libs sqlite-devel 
ruby-irb ruby-rdoc -y

 とする。「yum」から「-y」までは1行である。

 「Complete!」と表示されれば,Rubyの開発環境およびSQLiteのインストールは完了する。

 次に,Railsをインストールする。RailsはRubyGemsというパッケージ形式で配布されている。Railsをインストールするためには,この「RubyGems」を先にインストールする必要がある。

 RubyGemsは,ソースがRubyForgeで配布されている。ソースをダウンロードして,ローカル上でビルドする。

 Firefoxを使ってダウンロードすることもできるが,次のように「wget」を使うと簡単である。2008年6月6日時点の最新バージョンは1.1.1である。

# wget http://rubyforge.org/frs/download.php/35283/rubygems-1.1.1.tgz

 入手したソース・アーカイブを,展開・解凍してビルドする。スクリプト「setup.rb」を実行すればビルドとインストールが自動的に始まる。

# tar zxf rubygems-1.1.1.tgz
# cd rubygems-1.1.1
# ruby setup.rb

 これでRubyGemsのインストールは完了した。

# gem -v

でインストールされたことを確認しておこう。

 さて,これでようやくRailsをインストールできるようになった。次のように,今導入したRubyGemsを使ってRailsをインストールする。コマンド名はgemだ。

# gem install rails

 聞かれる問いにはyで答えよう。ここは少々時間がかかる。筆者の環境では10分程度要した。

 「gem list」を実行するとインストールされたgemパッケージが一覧できる。

 以上で,Railsのインストールは終わった。

# rails -v

で確認しておこう。2008年6月6日時点ではバージョン2.1.0となる。

 最後に,同じくRubyGems形式で配布されている,RubyからSQLiteを操作するアダプタ「sqlite3-ruby」をインストールしておこう。これが無いとRailsアプリからSQLiteデータベースを操作できない。

# gem install sqlite3-ruby

 では,次にRailsのアプリケーションを作ってみる。