Suzukaでムービー内のオブジェクトを操作するには,「スプライト」を作成し,インスタンス名を付けます。ボタンやテキスト・フィールドではない,ムービー内のオブジェクトを操作するには,「スプライト」が必要なのです。

 図1のムービーは,「hiyoko」というスプライトを,矢印キーで移動するサンプルです。

図1●スプライトを操作するムービー
図1●スプライトを操作するムービー
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スプライトを作成する

 スプライトの作成方法は,以前の記事「Flashムービー作成フリーソフト「Suzuka」で簡単アニメーションを作ってみよう」【/article/COLUMN/20061221/257517/ へリンク】でも紹介しましたが,もう一度ざっと手順をおさらいしてみましょう。

 Suzukaのスプライトは,Flashで言うところの「ムービークリップ(MovieClipクラス)」に当たります。ちなみに,Flash CS3(ActionScript 3.0)では,「スプライト(Spriteクラス)」という同名の仕組みが用意されましたが,それとはちょっと違う点にご注意ください。Suzukaでの「スプライト」は,Flashでの「ムービークリップ」なのです。

 Suzukaでスプライトを作成するには,[シンボルリスト]欄で右クリックして表示されるメニューから,[アイテムを追加]-[スプライト追加]を選択します。[スプライトのプロパティ]ダイアログボックスが表示されるので,スプライト名とサイズを入力し,[OK]ボタンをおせば完成です(図2)。

図2●スプライトの追加
図2●スプライトの追加

 追加したスプライトは,独自のタイムラインを持ち,いわゆる「入れ子」のムービーのように扱うことができます。任意のスプライトのタイムラインを編集するには,[シンボルリスト]からスプライトを選択し,[編集]ボタンを押します。すると,画面右上の[レイヤーリストとタイムライン枠]の表示が,スプライト独自の物に切り替わります(図3)。ここにスプライト独自のアニメーションやスクリプトを作成していくことができます。

図のタイトル
図3●スプライトのタイムライン
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 スプライトのタイムラインから,元のメインのタイムラインへと戻る場合には,スプライトのレイヤーの一番上の,ピンクになっている部分をダブルクリックします。

 スプライトは入れ子にすることもできます。例えば,ビットマップを順番に配置して作成した「ひよこが歩くアニメーション」と「ひよこが瞬きするアニメーション」をそれぞれスプライトにし,さらに,その2つのスプライトを入れ子に持つスプライトを,あらためて作成することもできます(図4)。

図4●入れ子のスプライト
図4●入れ子のスプライト
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 このような入れ子状のスプライトを作成しておくと,スクリプトを使ってスプライトを動かすゲームのような物を作成する際に,動きの管理を,ひとつのスプライトにまとめることができるので,非常に便利です。