Windowsでプログラミングをするときに,これだけは知っておきたいTipsや設定を集めました。これらの知識は,プログラムを作るとき,実行するとき,トラブルを解決するときにどうしても必要になります。きっちり覚えておきましょう。なお,ここで紹介するWindowsは,基本的に「Windows XP」を指します。「Windows 2000」「Windows Vista」など他のバージョンでは使えない場合があります。

 JavaのSDK(開発キット)をインストールすると,例えばC:\j2sdk1.4.2_12のように,デフォルト(初期設定)のインストール先フォルダにSDKのバージョン番号が含まれます。一般的なソフトは,バージョンアップ時でも同一フォルダを上書きするのが普通ですが,Javaの場合は複数のバージョンを別々にインストールできます。何か問題があったとき,または開発案件によって旧バージョンでコンパイルするといったケースを考慮しているのだと思われます。しかし,SDKの新版をインストールしたときに,javac(コンパイラ)へのPATHが毎回変わってしまうので(そして古いjavacにPATHが通っているとバージョンアップした意味がないので),使い勝手としては痛し痒しなのも事実です。

 この問題に対する一般的な対処法は,バージョンアップごとにPATHを書き換えることでしょう。ただしPATHは全体的にかなりの長さがあるにもかかわらず,環境変数ダイアログの値の入力フィールドは1行のテキストボックスなので見通しがよくありません。そこで独自の環境変数を用意し,その環境変数をPATHに反映させる方法を紹介しましょう。

図6●[新規]ボタンを押し,新しい変数名と変数値を入力する
図6●[新規]ボタンを押し,新しい変数名と変数値を入力する

 コントロール・パネルの[システム]を開いて,[詳細設定]-[環境変数]とたどります。環境変数ダイアログで[新規]ボタンを押し,変数名にJAVA_PATH,変数値に「C:\j2sdk1.4.2_12\bin」と入れます(図6)。数字の部分は皆さんのJavaのバージョンに合わせてください。最後に「\bin」を付けるのをお忘れなく。

 続いて,PATHの最後に「;%JAVA_PATH%」を追加します。環境変数として設定された値は,他の環境変数からも“%変数名%”の書式で参照できます。PATHの解釈時に%JAVA_PATH%の部分は,変数値に置き換えられて解釈されるわけです。

 この方法のメリットは,Javaのバージョンが変わった場合に,PATHの長い変数値の中からバージョン部分を探して書き換える必要はなく,JAVA_PATHの部分の書き換えだけで対応できることです。旧バージョンに戻したいときも,同様にJAVA_PATHを書き換えるだけです。