コカ・コーラ セントラル ジャパンの尾崎昭宗・執行役員経営戦略室長兼情報システム部長 |
神奈川・静岡・愛知など6県を事業エリアとするコカ・コーラ・セントラル・ジャパン(CCCJ)の業績が好調だ。2007年12月期の営業利益が前年比11億円増の55億円と大幅増益になった。
同社の業績好調の一因が、2007年から本格運用を開始したデータ・ウエアハウス(DWH)を駆使しての損益管理の強化だ。自動販売機1台ごと、または小売店など販売先ごとの営業利益を"見える化"した。これによって、減価償却費まで含めると採算が取れていない自販機を、償却済みのものに交換するなど損益管理を徹底できるようになった。同システムを構築して試験的に運用し始めたのは2006年1月のことだが、それ以前に利用していた旧型のDWHだと、特定の自販機に人件費や運送費がいくらかかっているかを把握できず粗利益ベースまでしか把握できなかったという。
今回のシステムの導入の指揮を執ったのが、尾崎昭宗・執行役員経営戦略室長兼情報システム部長である。尾崎執行役員は、まずシステム構築の目的を3つに絞った。具体的には、(1)自販機1台ごと及び販売先ごとの営業利益を見える化する、(2)1日前の実績が分かる、(3)DWHで把握する業績の数値を、実際の決算書の数値をできるだけ一致させる、の3点である。
これらの目標を、「システム構築・運用上の"柱"として一貫して掲げ、最後までぶれないようにした」(尾崎執行役員)。目的を絞り込んだことで、例え利便性が高くとも当面は不要な機能を開発する無駄を徹底的に省いた。その結果、要件定義からわずか6カ月でカットオーバーにこぎ着けることに成功した。
尾崎執行役員が日ごろから重視するのは、コミュニケーションの機会を質・量とも積極的に持つことだ。1回の会話では考えが伝わらない場合でも、ねばり強く会話を重ねることで理解してもらえるようになるとの信念があるからだ。
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