野村総合研究所 藤沼彰久 代表取締役会長兼社長 野村総合研究所 藤沼彰久 代表取締役会長兼社長

 「工事進行基準」をいち早く導入した野村総合研究所。2008年3月期決算は増収増益だが、1月25日時点の予想より数字が少なかった。売上高で127億円、営業利益は23億円のマイナスである。「工事進行基準で処理しているのになぜ間違ったのか、と問われれば言い返せない」と、藤沼彰久会長兼社長は苦笑する。

 年度末のわずか数カ月で予想を下回った理由は、最大のユーザーである証券業界からの受注が、急激に減ったからだ。ユーザーの収益や設備投資が年度末にかけて鈍化し、今までの景況感に急ブレーキがかかった。

 たとえ進行基準を導入しても、ユーザー企業の動向に左右されてしまえば、決算の数字はぶれてしまう。ソリューションプロバイダの努力だけでなく、取引先との協調関係も重要なのだろう。