邪魔なパソコンを回収に出したらそれで終わり。普段、その先を気にすることはほとんどない。回収されたパソコンはどのように処理され、リサイクルされているのか。後半は、PCリサイクルの処理現場とリフレッシュPCの再生現場を訪れて、その行程を追ってみた。

 現場の様子を紹介する前に、まずは全体の流れを押さえておこう。

 廃棄パソコンを再資源化するPCリサイクルの仕組みでは、家庭にあるパソコンは日本郵便によって回収され、山九という物流会社を経て、各メーカーの再資源化施設に運ばれる(図14)。そこで分解され、素材別に分別。資源を採取するための技術や機械を持つリサイクル業者に運ばれて、再資源化される。素材によっては、さらに別のリサイクル業者に運ばれることもある。このように、PCリサイクルには多くの会社がかかわり、ふるいにかけるように資源を採取していく。

【パソコンのリサイクルの流れ】
図14 回収されたパソコンやディスプレイは再資源化施設で分解、分別後、素材ごとに各種リサイクル業者に売却、または回収される。素材として再利用できないものは、道路の舗装材やレンガの原料になるスラグ、焼却して熱エネルギーを発生させるサーマルリサイクルに回す<br><span class="cap_kakudai">[画像のクリックで拡大表示]</span>

 一方、パソコンをそのまま再利用するリフレッシュPCの流れはパソコンの捨て方(2)で紹介した通り。回収したパソコンはメーカーの工場に運ばれ、検査、クリーニング、再生される。

 流れが分かったところで、次ページからは、作業現場の写真を見ながら、実際の処理過程を追っていこう。2ページはPCリサイクルの現場、3ページはリフレッシュPCの現場である。