After J-SOX

 この4月、日本企業はいよいよ、日本版SOX法(J-SOX)が適用される初年度を迎えた。これまで上場企業を中心に内部統制の整備が進められてきたが、そもそも内部統制は運用こそが重要であり、永続的にエネルギーとコストとを費やすべき活動である。

 内部統制への取り組みを通じて企業に求められるのは、単に文書化によって財務報告のリスクを低減することではなく、企業価値を高めることだ。制度としてのJ-SOX対応の後、すなわち「After J-SOX」に、内部統制をどのように企業価値の向上に結びつけるべきなのか。こうした観点から、企業が今後取り組むべき課題や企業価値向上のための施策について、16回にわたり提言させていただく。

(After J-SOX研究会)

<目次>

●J-SOXが抱える課題とその解決に向けて
第1回 J-SOX対応を企業価値向上の契機に 
第2回 After J-SOXを模索する企業の意識と課題 
第3回 「企業価値を高める」とはどういうことか 
第4回 「内部統制成熟度モデル」を提案する 

●J-SOXの運用改善と効率化
第5回 J-SOX対応の運用効率化とコスト削減を考える 
第6回 内部統制強化とコスト削減の切り札「シェアード化」 
第7回 内部統制評価とシステム監査をアウトソースする 
第8回 内部統制強化のためのシステム改善・再構築とは 

●J-SOXから統合リスク・マネジメントへ
第9回 内部統制を拡張した「ERM」の構築 
第10回 ERMを実現する企業情報システム像 
第11回 ERMにおける記録管理の重要性 

●連結経営による企業価値の向上
第12回 After J-SOXとして目指すべき企業価値経営 
第13回 連結経営の今日的課題 
第14回 企業価値経営におけるIT環境の重要性 
第15回 企業価値の向上に重要な人財の育成 

●結び
最終回 企業価値経営を目指す日本企業へのエール