Intel P45+ICH10Rを搭載するASUSTeK ComputerのP5Q Deluxe
Intel P45+ICH10Rを搭載するASUSTeK ComputerのP5Q Deluxe
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背面にある端子類。USB×6、eSATA、IEEE 1394a、光と同軸のデジタル音声端子などを備える
背面にある端子類。USB×6、eSATA、IEEE 1394a、光と同軸のデジタル音声端子などを備える
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Silicon Image製のSerial ATA/eSATAコントローラーチップ
Silicon Image製のSerial ATA/eSATAコントローラーチップ
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Analog Devices製のサウンドコーデックチップ
Analog Devices製のサウンドコーデックチップ
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【グラフ1】SiSoftwareの「Sandra XII SP1」による、CPU関連テストの結果。P5Kの値を100%として相対値で表した
【グラフ1】SiSoftwareの「Sandra XII SP1」による、CPU関連テストの結果。P5Kの値を100%として相対値で表した
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【グラフ2】Sandra XII SP1によるメモリー転送速度のテスト結果。P5E3が速いのはDDR3を使っているため
【グラフ2】Sandra XII SP1によるメモリー転送速度のテスト結果。P5E3が速いのはDDR3を使っているため
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【グラフ3】Futuremarkの「PCMark05」のテスト結果。X48のP5E3とP45のP5Qは、グラフィックスメモリーの転送テストの結果が良好でスコアが高くなっている
【グラフ3】Futuremarkの「PCMark05」のテスト結果。X48のP5E3とP45のP5Qは、グラフィックスメモリーの転送テストの結果が良好でスコアが高くなっている
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システム全体の消費電力を測定した。左端がアイドル時、右端が負荷時でPCMark05の「Multithreaded Test 2」を実行したときの値。P5Q DeluxeのシステムはP5Kのシステムとほぼ同じ消費電力になっている
システム全体の消費電力を測定した。左端がアイドル時、右端が負荷時でPCMark05の「Multithreaded Test 2」を実行したときの値。P5Q DeluxeのシステムはP5Kのシステムとほぼ同じ消費電力になっている
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 Intelは2008年第2四半期中に、次期主力チップセット「Intel 4シリーズ」を正式に発表する。日経WinPC編集部は4シリーズの1モデルである「Intel P45」を搭載したASUSTeK Computer製のマザーボード「P5Q Deluxe」を入手、性能と消費電力を検証した。

目新しさの少ないP45チップセット

 Intel 4シリーズチップセットは、現在の主力ラインアップである3シリーズの後継製品。中でもIntel P45は、グラフィックス機能を内蔵しない単体チップセットとして中核となるスタンダードなモデル。P45と現行のP35との最大の違いは、グラフィックス周りと対応メモリーにある。P45では、グラフィックス用インターフェースをPCI Express 2.0とし、x16のレーンをx8×2の2本のレーンに分割して利用できるようにした。AMDのグラフィックスチップ、Radeonシリーズによる「CrossFire」を使うための仕組みだ。メモリーは、P35までのDDR2-800/667、DDR3-1066/800に加えてDDR3-1333にも対応できるようになった。さらに、DDR2利用時には最大16GBのメモリーを搭載できる(これまでは8GB)。

 ただ、グラフィックスボードの複数枚挿しやDDR3-1333への対応は、これまでもIntel製のハイエンド製品向けチップセットでは実現できていた。P35を搭載した一部のマザーボードでもメーカーが独自に対応していたので、こうしたP45の改良点は、P45で初めて使えるようになったわけではない。4シリーズと組み合わせるI/OコントローラーはICH10シリーズ。PCI Express x1×6、USB×12、Serial ATA×6など、基本的な仕様はICH9シリーズとほぼ同じで、こちらも目新しさは少ない。

 Intelは2008年後半に新設計のCPU「Nehalem(ネヘイレム)ファミリー」(開発コード名)を市場に投入する。デスクトップPC向けCPUは「Bloomfield(ブルームフィールド)」(同)で、実装形式がLGA1366に変わるほか、チップセットが一新される。Nehalemは当初、ハイエンド製品として登場するため当面は現行のCore 2シリーズが主力であり続けるが、世代交代という意味ではP45が最新チップセットである時期は短い。

性能は既存のP35搭載製品とほぼ同等

 P5Q Deluxeは、ATXサイズのマザーボードでソケットはLGA775。メモリーはDDR2が利用できる。拡張スロットはPCI Express x16×3、PCI Express x1×2、PCI×2。ドライブ用インターフェースは、ICH10RによるSerial ATA×6のほか、Marvell製チップによるSerial ATA×2、eSATA×1も備える。Ultra ATAは1チャンネルだ。このほか、PCI Express接続のMarvell 88E8056と、PCI接続の88E8001による2系統のGigabit Ethernet、IEEE 1394a、Analog Devices製チップによるサウンド機能などを搭載する。

 特徴の1つは、オーバークロック動作のための設定項目が非常に多いこと。最近のASUS製のハイエンドマザーボードの傾向ではあるが、CPUやFSBの基準動作周波数やメモリーのアクセスタイミングだけでなく、メモリーの信号の遅延時間やノースブリッジとサウスブリッジの動作電圧、バスの基準電圧など、相当に専門的な知識が必要な項目までもが設定できるようになっている。P5Q Deluxeの出荷時期や価格は現段階では未定だ。

 テストは以下のパーツ構成で実施した。

【CPU】Core 2 Extreme QX9650(3GHz)
【メモリー】DDR2-800 1GB×2(JEDEC準拠)
【HDD】WD Caviar SE 16 750GB(Western Digital、WD7500AAKS)、PCMark05のHDDテストのみBarracuda 7200.10 250GB(Seagate Technology)
【グラフィックスボード】Radeon HD 3870搭載ボード(レファレンス)
【OS】Windows Vista Ultimate Service Pack 1 32ビット日本語版