第11回 Windows CEの系譜と今後ペガサスからヤマザキ,“Windows EC”までWindows CEのバージョンと開発コードネームWindows CEが世に出てから10年以上がたち、そのバージョンもすでにWindows Embedded CE 6.0 R2まで進んでいます。 最初のバージョンの開発コードネームはPegasusでしたが、その後のバージョンにも様々な開発コードネームが付けられています。それらは、その時々の事情によってネーミング規則に違いがあります。 これまで公式に発表されたWindows CE およびその派生OS のバージョンと開発コードを並べてみます(表1,ただしインターネットなどで検索できるものだけに限定)。ベースとなっているWindows CEコアのバージョンとWindows Mobileなどのバージョンは、必ずしも一致していないことに注意してください(カッコ内はコアOSのバージョン)。
表1●Windows CEコアのバージョンと開発コードネーム
表1のように、Windows CE 2.0からは、Alder(ハンノキ)、Birch(カバ)、Cedar(ヒマラヤスギ)と、木の名前でABC順に名付けられました。次のコードネームはDから始まるDougFir(Douglas Fir:ベイマツ)でしたが、Windows CE .NET 4.0からは、お酒(シングルモルト)シリーズに変更されました。そして、今回の連載で解説したWindows Embedded CE 6.0のコードネームは、お馴染みの「Yamazaki」が採用されました。 次の表は、ハンドヘルドPC 系のバージョンとコードネームです(表2)。
表2●ハンドヘルドPC 系のバージョンとコードネーム
Windows CE 1.0のときは、ハンドヘルドPCとWindows CEコアOSに違いはありませんでした。それ以降は、Mercury(水星)、Jupiter(木星)、Galileo(木星の衛星)と変わり、惑星から衛星に鞍替えしたのが気になります。実際、Handheld PC 2000を最後に、正式なハンドヘルドPC用のバージョンは無くなってしまいました。 表3はPocket PC、Windows Mobile系のバージョンとコードネームです。
表3●Pocket PC、Windows Mobile系のバージョンとコードネーム
Pocket PC 2002までは、Gryphon(グリフィン:ギリシャ神話の怪獣)、Wyvern(飛竜)、Rapier(細身の剣)、Merlin(アーサー王伝説中の魔法使い)と、ロマンティックな名が続きました。その後は、Stinger(針)、Ozone(オゾン)、Magneto(高圧磁石発電機、それともX-MEN のマグニートか?)、Crossbow(石弓)と、関連性がよくわかりません。あえて言えば、Crossbowでギリシャ神話に戻ってきたのかもしれません。 引き続いて、AutoPC、Windows Automotive系のバージョンとコードネームです(表4)。
表4●AutoPC、Windows Automotive系のバージョンとコードネーム
開発コードネームはその開発チームが何らかの意味を込めて付ける場合が多く、その時の開発メンバーの興味の対象によっても変わってきます。特にUSのエンジニアはこの手の名前を考える才能に長けているようで、OSのコードネーム以外にも、名前の由来を知ってつい笑ってしまうものもあります。 たとえば、もっとも初期の開発用プラットフォームとして提供されていたD9000では、[Platform]ディレクトリの「ODO」に配置されています。このODOは、スタートレックに出てくる「オドー(Odo)」の名前から来ています。D9000はマザーボードにCPUボードも含めて様々な拡張ボードの取り付けが可能で、いろいろな構成を取ることができました。スタートレックのオドーも自由にいろいろな物に姿を変えることのできる流動体生物で、そこからD9000をODOと名付けたという話です。 他に「Saw(のこぎり)シリーズ」も有名です。これはAxe(斧)と同じく、OS(木)を加工する道具という意味が込められています。これについては、Mike Hallのブログにトピックがあります。
出典:「Windows Embedded CE 6.0組み込みOS構築技法入門」(日経BPソフトプレス 発行)
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