開発●Firebird Project
URL●http://www.firebirdsql.org/

「ソフトウエアを作る環境を楽しくするお役立ちフリーソフト」を集めて,1日1本のペースでご紹介しています。今回は欧米で人気のリレーショナル・データベース管理システム「Firebird」です。

 「Firebird」は,オープンソースのリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)として,MySQL,PostgreSQLに続く「第三の存在」ともいうべきソフトです。欧米ではPostgreSQLに並ぶ人気を誇ります。

 Firebirdの先祖は,米Borland Softwareの「InterBase」という商用製品です。Interbaseは,Delphiなどの統合開発環境に開発用製品が付属しているので,ご存じの人も多いと思います。2000年にBorland(当時の社名はInprise)はInterBaseのソースコードを公開しました(InterBaseはその後もBorlandが独自に商用製品として開発を続けています)。公開されたソースコードを基に,オープンソース・コミュニティの手で生み出されたのがFirebirdです。ストアドプロシジャやトリガーといったデータベース・アプリケーション向けの機能を持っています。また,トランザクションやオンライン・バックアップといった信頼性を確保するための機能も備えています。メモリー効率が良く,高速に動作するという特徴もあります。日本語などの2バイト文字も問題なく扱えます。

 「IBOConsole」というGUI管理ツールも存在します。MySQLのMySQL AdministratorとMySQL Query Browserの機能を併せ持つようなツールです。日本語表示にも一部対応しています。なお,PHPは標準でFirebirdにアクセスする関数を備えているため,簡単にFirebirdのデータを利用できます。

 Firebirdは比較的後発のため,日本語の情報はまだ多いとはいえませんが,高速,軽量なアプリケーションを実現する可能性を秘めたRDBMSだといえるでしょう。

●Firebirdの管理ツールIBOConsole   ●SQL文の実行時間なども確認できる
●Firebirdの管理ツールIBOConsole   ●SQL文の実行時間なども確認できる