開発●オープンソース
URL●http://www.postgresql.org/

「ソフトウエアを作る環境を楽しくするお役立ちフリーソフト」を集めて,1日1本のペースでご紹介しています。今回はオープンソースのリレーショナル・データベース管理システム「PostgreSQL」です。

 「PostgreSQL」は,日本ではMySQLと並んで人気のあるオープンソースのリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)です。世界的に見るとMySQLのほうが人気がありますが,日本ではPostgreSQLのユーザー・コミュニティが活発に活動しており,実際にPostgreSQLを使ったシステムも少なくありません。そのせいもあり,日本語への対応が進んでいます。公式サイトには,英語版のほかに特別に日本語版のパッケージが用意されています。また,PostgreSQLには日本語による情報が整備されているという長所もあります。コミュニティのメンバーがボランティアでマニュアルの日本語訳を続けており,日本PostgreSQLユーザー会のWebサイトからダウンロードできます。日本人にとって安心して使えるオープンソースのRDBMSといえるでしょう。

 PostgreSQLは,MySQLに比べて多機能です。MySQLが最近搭載したストアドプロシジャなどの機能を,PostgreSQLは以前から搭載していました。トランザクションにも対応しています。ビューやトリガー,カーソルといった商用RDBMSで一般的な機能も問題なく使えます。現在も,商用RDBMS並みの機能を目指して機能拡張が続けられています。

 PostgreSQLは,UNIX,Linuxコミュニティで発達してきたソフトウエアです。このため2005年に登場したバージョン8.0まではWindows版のバイナリが存在せず,WindowsユーザーはCygwinなどのUNIXアプリケーション実行環境の上でPostgreSQLを利用していました。バージョン8.0以降はWindowsへの対応が進み,RDBMS本体だけでなく,GUI管理ツール「pgAdmin III」など周辺のソフトウエアにもWindows版が登場しています。PostgreSQLのWindows用インストーラは,とても便利に作られています。RDBMS本体に加え,GUI管理ツール,データベース・ドライバなど,開発に必要なものが一括でインストールできます。

●管理ツールなども標準で付属する   ●GUI管理ツールpgAdmin III
●管理ツールなども標準で付属する   ●GUI管理ツールpgAdmin III