開発●オープンソース
URL●http://www.eclipse.org/
https://sourceforge.jp/projects/aioec/

実に様々なソフトウエアが無料で利用できるようになっています。そこで,主に「ソフトウエアを作る環境を楽しくするお役立ちフリーソフト」を集めて,1日1本のペースでご紹介します。

 「Eclipse」は,Java開発者の間で最も普及している統合開発環境です。JavaのプログラミングはJava SE Development Kitとテキスト・エディタだけでも可能です。しかし,ちょっと大きなプログラムを作ろうとすると,プログラム・ファイルの管理や再コンパイルなどいろいろと煩雑な作業が必要になります。

 このようなときに役立つのがEclipseをはじめとする統合開発環境です。Eclipseでは,開発するアプリケーションを「プロジェクト」という単位で管理します。その中でパッケージを作ることで,パッケージの管理も自動的にしてくれます。画面の右側にはクラス構造を表すツリーが表示されるので,クラスを統合/分割する作業の助けになります。

 プログラムの修正→コンパイル→実行結果の確認という一連の作業が簡単に行える点も見逃せません。複数のファイルからなるプログラムを作るとき,それぞれのファイルをテキスト・エディタで修正して,コマンドプロンプトでコンパイラを実行するのは面倒です。Eclipseなら,コード・エディタで修正した後に保存するだけで再コンパイルが行われます。実行しようとしたときにまだファイルを保存していなければ,保存をうながすダイアログ・ボックスが表示されます。

 企業におけるチーム開発では,Eclipseはもはや不可欠の存在になっています。バージョン管理システムとの連携機能やデバッグ,テストといった,企業の開発プロセスに欠かせない機能を備えているからです。また,コードの見通しを良くするリファクタリング機能や,メソッド名などを補完してくれる機能など,コードの品質を高めるための機能も備えています。Ctrl+Shift+Lキーを押すと,このような便利な機能のキーボード・ショートカットが一覧表示されるので,確認してみるといいでしょう。

 Eclipseは,プラグインを使って機能を追加できるのも大きな特徴です。Eclipse用の様々なプラグインが公開されています。例えば,Eclipse上でUML図の作成を可能にするプラグインや,GUIアプリケーションのユーザー・インタフェースをマウス操作で作成できるプラグインなど,無数といっていいくらいのプラグインが存在します。また,プラグインを使うとJavaだけでなく,他のプログラミング言語を開発する機能を付け加えることも可能です。

●複数のクラスの管理も簡単
●複数のクラスの管理も簡単

 Eclipseには,様々なプラグインを収録し,あらかじめ日本語化もされている統合パッケージ「All-In-One-Eclipse」もあります。上記URLからインストール・ファイルを入手して,簡単にインストールすることができます。


●コード補完機能
●コード補完機能

●プラグインを簡単にインストールできる   ●GUIの開発プラグイン(Visual Editor)
●プラグインを簡単にインストールできる   ●GUIの開発プラグイン(Visual Editor)