グリーンITに関連した商材としてソリューションプロバイダの多くが注目しているのが、ブレードサーバーだ。大塚商会の中本明彦マーケティング本部テクニカルプロモーション部課長は「グリーンITといったら、ブレード」と言い切る。

 サーバーメーカーも“グリーンIT”をうたい文句にブレードサーバーの拡販に注力。メーカー各社はブレードの最新機種の消費電力量を、従来機種に比べ、最低でも10%削減している。「ブレードは省電力マシンとして最適だ」。日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の高原明彦Adaptive Infrastructureビジネス本部担当マネージャはアピールする。

電気料金の削減額を具体的に提示

 ブレードとグリーンITの相性が良さそうだとはいえ、ユーザー企業が簡単に財布のひもを緩めるわけではない。当然のことながら、売るための工夫が必要だ。

その点で大塚商会の営業スタイルが目を引く。同社は省電力のメリットを具体的な金額に換算する提案営業活動を展開中だ。

 大塚商会の営業担当者はまず、ユーザー企業のサーバーの導入状況をヒアリング。それを置き換えるのに必要なブレード枚数に基づいて、消費電力量と電気代を試算し、ユーザー企業に提示する(図2)。

図2●大塚商会はユーザー企業に最適なブレードサーバーを売り込むため、ブレードの消費電力量と電気代を提示する
図2●大塚商会はユーザー企業に最適なブレードサーバーを売り込むため、ブレードの消費電力量と電気代を提示する

 消費電力量については、メーカーのカタログスペックをそのまま使うわけではなく、ユーザー企業の事情を加味する。ユーザー企業で想定されるシステムの処理量に応じて、消費電力量をはじき出す。電気代は、各地域の電気料金の体系に応じて算出する。

 「ユーザー企業はサーバーの消費電力にかかる料金を細かく把握していなかったのかどうか、非常に興味を持って我々の話を聞いてくれる」。大塚商会の中本課長は手応えを感じている。

 日本IBMは専用の分析ツールを活用し、ブレードを始めとする新しいマシンの導入効果を定量化。サーバーや空調設備にかかっている現状の電気代に加え、新たなサーバー構成での電気代を明示する。

 日本IBMの岩井淳文システム製品事業プラットフォーム事業部長理事は、「現在使っているサーバーやマシンルーム全体にどれだけ電気代がかかっているのかを知りたいというユーザー企業が、ここ半年で急増している」と言う。ツールのニーズは高いと判断し、日本IBMはパートナー企業にこれを無償で提供する。