写真1●小さく軽快に動作するライブLinuxの「Damn Small Linux 4.2」
写真1●小さく軽快に動作するライブLinuxの「Damn Small Linux 4.2」
Damn Small Linux 4.2本体の容量は約50Mバイトと非常に小さい。また,日本語版はライブCDの部屋で公開されている。
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図1●主なライブLinuxの本体容量
図1●主なライブLinuxの本体容量
DSLは他のライブLinuxと比べても非常に小さいことが分かる。
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図2●主なライブLinuxのメイン・メモリーの使用量
図2●主なライブLinuxのメイン・メモリーの使用量
DLSは軽量LinuxのPuppy Linuxと並んでメイン・メモリーの使用量が少ないことがわかる。メイン・メモリーの使用量は各ライブLinuxを起動した直後に計測した。
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 最近のOSは,Windows VistaやMacOS Xなどのように高機能化が進んでいる。しかし,高機能化と共にOS自身の容量が肥大化している。Windows VistaなどのOSでは,OSを利用するためにハード・ディスクに数Gバイトの容量が必要になる事もある。この傾向はLinuxディストリビューションでも同じであり,高機能化とともに本体の肥大化が進んでいる。

 これに対し,できる限り軽量にしようとしているLinuxディストリビューションも存在する。その中で,非常に軽量に作成されているのが「Damn Small Linux」(以下,DSL)である(写真1)。DSLは,KNOPPIXをベースに開発が行われている。KNOPPIXとは光メディアからLinuxを起動できるライブLinuxの草分けとなったディストリビューションである。ハードウェアの認識機能に優れているため,多くのパソコンでKNOPPIXを起動することができる。DSLにおいてもKNOPPIXのハードウェア認識機能が利用されており,多くのパソコンで動作することが可能だ。また,仮想的な書き込みができるStackable File Systemの「AUFS」を搭載しているため,光メディアに保存されているファイル・システムへ新規ファイルの作成やファイル内容の変更するといった操作が擬似的に行うことができる。

 DSLの最も特徴的なのが,本体の容量がたったの48.6Mバイトと名刺サイズのCD-Rにも記録できる大きさだ。他の軽量なライブLinuxと比べてもDSLがいかに小さいことが分かるだろう(図1)。

 また,少ないメイン・メモリーで動作するのも特徴である。DSLの起動直後のメイン・メモリーの使用容量は約23Mバイトである(図2)。軽快に動作すると知られているPuppy Linuxと比べてもほぼ同等のメイン・メモリーの消費であることが分かる。また,付属するWebブラウザ(Dillo)とメール・クライアント(Sylpheed),表計算ソフト(Slag)を起動しても約30Mバイトの消費ですんでしまう(ただし,Webサイトへのアクセスやメールの取り込み,ファイルの編集などは行っていない状態で計測した)。このようにメイン・メモリーの消費量が少ないため,メイン・メモリーが少ないパソコンや,古いパソコンであっても快適に操作が行える。

 DSLのオフィシャルWebページでは,英語版のみが提供されている。しかし,ライブCDの部屋ではDSL 4.2を日本語化などカスタマイズをしており,このDSLを利用することで日本語の表示や入力を行うことが可能である。ただし,日本語フォント,入力メソッド,かな漢字変換,日本語に対応したアプリケーションなどを搭載するため,容量は124Mバイトとなっている。また,DSL日本語版の起動時のメイン・メモリー使用容量は約34Mバイトと英語版に比べて多少消費量が増す。