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インターネットで流れる情報というのは,テレビやラジオのニュース,新聞の記事とはちょっと違ったベクトルを指していることがよくあります。国会の紛糾や株価変動,大規模災害あたりの新聞一面見出しは,インターネットでも大きく取り上げられます。しかし,新聞やニュースでは扱われない情報もたくさん含まれているんです。
例えば,芸能人の離婚騒動,ネット犯罪関係,ちょっと間の抜けた強盗事件の顛末といったように,ゴシップや普段の友人知人との会話で口の端に上りやすい話題が,結構ランキング上位にあがっているわけです。そうした“ちょっとした出来事”は何日も引っ張られることなく,いわば使い捨てニュース扱いで,日々ころころと変わっていきます。移り変わりが速いので,ついていくのも大変です。今このとき,何が旬の話題なんですか?
大手プロバイダである@niftyは,本業のプロバイダ業のほかにいくつかのWebベースのアプリケーションを提供しています。今回ご紹介する「トピックイット」もその一つです。
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図1●@niftyトピックイットのトップページ [画像のクリックで拡大表示] |
トピックイットは,ユーザー参加主導型の話題トピック集積システムです。参加者がネット巡回中に「これ気になるよね」という話題を見つけたら,トピックイットに送信して登録します。
登録されたトピックに対して,他の参加者はその記事内容を確認し,コメントをつけることもできます。参照者の多い話題は,トピック一覧の中でランキングがあがっていきます。いわゆる「ソーシャル・ニュース・サイト」です。
ソーシャルニュースサイトとしての機能は,上記のWebサイト内で完結しています。特にユーザー登録などを行わなくても,ランキングと記事内容は見れます。@niftyとプロバイダ契約をしていなければならないということもありません(トピックを投稿したり,コメントするには会員登録が必要です)。
ここまでの説明だと,トピックイットのどこがWebサービスなんだということになっちゃいますね。いや,ちゃんとブログに貼り付けるパーツがあるんですよ,これが。
トピックイットを自分のブログで使う
トピックイットは,プログラム視点でみると,かなり立体的に各種ツールの連携がなされています。自分のブログにパーツを貼り付けるという考え方では,3種のサービスがあります。
- トピックイットのRSS
- 投稿ボタン
- トピックイットリング
1のRSSから説明しましょう。トピックイットでは,トピックを「最新」(投稿日時基準)あるいは「話題」(参照数基準)のいずれかで分類,それぞれを「一般ニュース」「ITニュース」「エンタメ」「スポーツ」「くらし」とジャンル区分,さらにその下にいくつかのサブカテゴリを設けています。これらのカテゴリ別と全部を一括した「総合」でRSSを配信しています。RSSフィードの機能があるブログならば,RSSをブログ内に表示させることができます。
RSSは,自分で条件をカスタマイズすることもできます。カスタマイズには「トピックイットのWebサービス」が利用できます。
使い方は簡単で「http://api.topic.nifty.com/api/v1/」というURLの後ろに「topics/150」のようにオプション指定を書き足していくことで,自分が欲しい内容のRSSを取得できます。ジャンルだけでなく投稿日時,期間,投稿者を絞り込んでのRSSも生成できます。
どのようなオプションがあるのかは,@niftyのサイトにあるAPIの解説ページで確認してください。この機能を利用するのに会員登録は必要ありません。誰でもRSSを取得できます。
2の「投稿ボタン」は,自分のブログの記事の下に,トピックイットへ該当記事を投稿するためのボタン(アイコン画像)を表示するというものです(解説ページはこちら)。トピックを投稿するには,@niftyに登録している必要があります。
トピックイットに限らず,@niftyのWebサービスを利用する場合には,会員登録をしていなければなりません。ここでいう会員とはプロバイダ契約ではなく,入会費,維持費ともに完全に無料のサービス専用会員です。すでに@niftyとプロバイダ契約をしているか,他のサービスで無料会員になっている場合は再度登録する必要はありません。
会員登録については説明ページが用意されていますから,よく読んでください。登録後にログインすると,初回のみニックネーム(必須)の設定を要求されます。同時にブログのURLを尋ねられますが,とりあえず空欄のままでもかまいません。
投稿ボタンをブログのテンプレートなどに仕込んでおくと,日々のブログ記事の下にトピックイットへの投稿ボタンが表示されます。投稿されていなければ「投稿する」というボタンが,すでに投稿済みの場合はトピックイットへのリンクとポイント(ポイントを表示しない設定もあります)が表示されます。
設置時の仕込みタグは,JavaScriptとimgでできています。imgの画像はサーバーサイドで生成されており,登録済の記事かどうかによって表示される画像が切り替わるという仕組みになっています。
投稿ボタンは,以下のブログ(サービス)に対応しています。
これらのブログではテンプレートから該当記事のタイトルなどを取得して送信できるようになります。上記以外のブログ,あるいは手書きのHTMLでも利用できる方法もありますが,その場合はすでにその記事がトピックイットに投稿されていても「投稿」ボタンのままで,ポイント表示にはできません。
この投稿ボタンは,ブログの記事ごとに設置タグを書くか,テンプレートに入れておいて投稿ごとに勝手に設置されるようにする必要があります。したがって,本連載でWebサービスやブログパーツと呼んでいるものとはちょっと意味が違ってしまいます。
そして3の「トピックイットリング」です。実は,これがブログ設置型のWebサービスです。
トピックイットリングは,設置されたブログの内容を解析して,ブログ中のキーワードと合致するか関連性が高いとシステムが判断したトピックイット内のトピックへリンクを貼ります。つまり似たような話題を書いているブログを探してリンクしてくれるというわけですね。