2008年3月18日,アップルコンピュータはWebブラウザ「Safari 3.1」を公開しました。SafariはMac OS X v10.4.11,Mac OS X v10.5.2以降のアップルコンピュータあるいは,Windows XPまたはWindows Vistaで動作します――普段Windowsを使っている人でこのリリース報道を知っていた人はたぶんそんなに多くないのではないでしょうか。Safariというブラウザの名前を知らなかった人もたくさんいると思います。Windowsユーザーであれば,Operaのほうがまだ知名度が高いかもしれません。Safariは2003年にMac OS Xに搭載され,すでに5年以上の歴史を持っています。今回公開されたSafari 3.1は,歴代Safariとしては初めてWindows対応版も含むバージョンとなりました。

それはある日突然インストールされた

 Windows版リリースのニュースを知っていたか否かにかかわらず,2008年3月20日ごろから,数多くのWindowsユーザーがSafariの存在を知ることになります。アップルコンピュータが提供している動画再生ソフト「QuickTime」,あるいはiPodと連携する音楽購入/再生ソフト「iTunes」をインストールしていると,「Apple Software Update」が定期的に最新版ソフトの有無を確認してアップデートを促します。このApple Software Updateに突然Safariが載るようになったのです(図1)。

図1●Apple Software UpdateにSafariが掲載されインストールを促す
図1●Apple Software UpdateにSafariが掲載されインストールを促す
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 このアップデートの勧めの中で,図にもあるようにSafariの説明は英文です。ぱっと見ただけでは,SafariがWebブラウザであるかどうかもよくわかりません。デフォルトの状態でインストール対象としてチェックが入っているので,特に疑問を持たずにインストールしてしまった人も少なくないと思います。

 このやや強引にも思えるインストール作戦に対しては,MozillaのCEOを務めるJohn Lilly氏が自身のブログで非難声明を出すなど,競合他社が強く牽制しています(関連記事)。が,ここではその件については置いておいて,Safariをインストールして,はたしての実力はどの程度のものなのか,を見ていきたいと思います。

 なお,QuickTimeなどのアップルコンピュータ製ソフトウエアを導入していない場合には,アップルコンピュータのダウンロード・ページから直接Safariをダウンロードしてインストールできます。インストール作業自体はダウンロード後にインストール・プログラムを実行するだけの簡単なものですので,ここでは省略します。