Web サーバー(IIS:Internet Information Services)の役割をWindows Server 2008 サーバーに追加する場合、Windowsプロセスアクティブ化サービス機能と、その3 つのサブ機能であるプロセスモデル、.NET 環境、および構成API もインストールする必要があります。

 Windows プロセスアクティブ化サービス(WPAS またはWAS)はIIS 7.0 の新しいコンポーネントです。WPAS が管理するのは、WWW プロセスではなく、アプリケーションプールの構成およびワーカープロセスです。これにより、HTTP とHTTP 以外の両方のサイトで同じ構成を使用することができます。この分離(およびIIS 7.0 の新しいモジュールアーキテクチャ)のおかげで、WWW サービスをインストールすることなくHTTP 以外のサイトをホストできます。

 これによってどのようなシナリオが実現するのでしょうか。WPAS はHTTP サイト専用ではないため、WPAS を使用してHTTP 以外のサイトをホストすることもできます。しかし「HTTP 以外のサイト」とは、どういう意味でしょうか。

 簡単に言えば、WPAS を使用すると、WCF(Windows Communication Foundation)などのテクノロジを使用したサイトをホストできるのです。WPAS でWCF を使用している場合、HTTP を介した通信に制限されることはありません。実際、それがWPAS の美しさであり、力強さであると言えます。WPAS 内では、netTcpBindingnetMsmqBinding などを使用しているWCF サービスをホストできます。これに対する機能強化としてWPAS ではHTTP とHTTP 以外の両方のサイトをサポートしているため、HTTP とNET.TCP の両方を介して通信するサービスをホストできるのです。