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日経コンピュータ

全日本空輸(ANA):インド製パッケージを基幹系に採用

2008/03/19
大和田 尚孝=日経コンピュータ

 「要件にぴったり合う製品を選んだら、たまたまインド製だった」。全日本空輸(ANA)の佐々木行彦 IT推進室 次世代システムグループ主席部員は、こう話す。

 ANAは、2008年末以降の稼働を目指して、国際貨物システムの全面再構築を進めている。新システムの中核には、インド製のパッケージ・ソフト「iCargo」を採用。開発は日本IBMに委託している。iCargoは、旅行・運輸・物流向けのパッケージを手がけるインド・ベンダー、IBSソフトウェア・サービスの製品だ。

 システム刷新の最大の理由は、「事業の急拡大に備えて、業務効率の向上と処理性能の拡大を果たすこと」(佐々木主席部員)。ANAは、貨物事業の売上高を現在の1000億円超から7000億円まで引き上げる目標を掲げている。「付加価値が高いサービスの提供により、単価の引き上げと取扱量の増加を両立させたい」(貨物本部貨物システム部の川口英文 主席部員)。

 現在の国際貨物システムは、日本ユニシス製メインフレーム上で、同社製のパッケージを稼働させている。2001年9月の導入から6年以上が経過し、老朽化が目立っている。業務によっては、データの再入力が発生するなど、作業効率の低下も問題になりつつあった。

稼働実績にこだわらず採用を決める

 iCargoは100パーセントJavaで実装されている。開発元のIBSソフトウェアは、航空会社のCIOを経験したインド人が母国に戻って1997年に設立した企業。そうした経緯もあり、iCargoには「航空会社が求める機能がそろっていた」(佐々木主席部員)。オープン環境で動作し、同様の機能を備えるソフトは、他には存在しなかった。

 最大の問題は、選定時点で実際の稼働事例がないことだった。ANAの前に採用を決めた会社はあったが、まだ開発プロジェクトの最中だったのである。

 ANAのIT部員は、機能や性能、信頼性の面でパッケージに問題がないか慎重に検証。IBSソフトウェアが開発拠点を構えるインド南部の都市トリバンドラムを訪れ、現地の開発体制などをチェックしてから、採用を決めた。

 ANAは2007年6月から仕様検討に着手。インド人技術者をオンサイトに呼び寄せ、英語によるフィット・ギャップ分析に5カ月をかけた。その後11月から設計に取り掛かっている。

 システム刷新に投じる費用は30億円。新製品の積極採用により、競争優位を保ちたい考えだ。


■本特集に関連して、日経コンピュータ3月1日号に特集「IT鎖国の終焉 グローバル・ソーシングの幕開け」を掲載しています。ぜひ併せてお読みください。


<過去に掲載したグローバル・ソーシング関連特集>

日本市場に切り込む中国ITベンダー(全5回)

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