1月30日から2月1日の3日間にわたって開催された「ITpro EXPO 2008」。そこで実施された「ワンセグ・トライアル」では,参加者を対象としたWebアンケートを実施した。基本的にワンセグのデータ放送の仕組みを使ってアンケート・サイトへのリンクを参加者の携帯電話に送り,そこをクリックして回答してもらうという方法で行った。

 回答総数は413件。ワンセグ・トライアルの“入り口”と位置づけたFeliCaリーダー「sumomo」にタッチしたワンセグ・ケータイの台数は1784台である。途中からパネルでチューニング方法を掲示したので,sumomoにタッチすることなくワンセグ・トライアルに参加した来場者もいることを考えると,実験参加者は多く見積もって3000人程度と見られる。この数字から計算すると,実験に参加した来場者のアンケート回答率は約14%と高い数字になった(実験参加者数をより低く見積もると,回答率はそれだけ上昇する)。

 今回はそのアンケートの集計結果を,自由に記入していただいたご意見・ご感想とともに報告したいと思う。

「受信方法がわからない」の比率は操作性の違いに起因

 まず最初は,実験に参加していただいた方のプロフィールから見ていこう。実験参加者の年齢分布を見ると,30代と40代で7割以上を占めた(グラフ1)。さらに男女比では,95%以上が男性という結果になった。これは,ITpro EXPOの参加者の属性に沿ったものといえる。

グラフ1●ワンセグ・トライアルの参加者は30代と40代が中心
グラフ1●ワンセグ・トライアルの参加者は30代と40代が中心

 アンケートの最初の項目では「チューニングの操作」について尋ねた。結果を見ると,「リンクをクリックするだけだったので簡単だった」が47.2%でトップで,続いて「チャンネルをスキャンしてチューニングしたので少し手間取った」が37.8%だった。このほか,「操作方法がわからず,説明員に説明を求めた」という回答が13.8%あった(グラフ2)。

グラフ2●チューニング操作は,「簡単」と「手間取った」に2極分化
グラフ2●チューニング操作は,「簡単」と「手間取った」に2極分化

 この結果は,「[II]システム詳細」で解説した内容による。FeliCaリーダー「sumomo」で直接ワンセグ・ブラウザを起動できるのはNTTドコモの携帯電話だけ。そのほかの事業者の携帯電話は,ワンセグ・ブラウザを起動するAPIが公開されていないため,どうしてもユーザー側の操作が必要になる。さらに,テレビ局に割り当てられているチャンネル以外のチューニングは,どのワンセグ・ケータイも操作は簡単ではないのだ。

 アンケートにお答えいただいた参加者の端末をキャリア別に集計した結果を見ると,NTTドコモが44.5%(グラフ3)で,「リンクをクリックするだけだったので簡単だった」の47.2%とほぼ同じになった。

グラフ3●アンケート回答者の端末はNTTドコモが約半数
グラフ3●アンケート回答者の端末はNTTドコモが約半数

 実際に自由記入欄を見ても,操作方法に関する意見は多かった。「受信方法を検討したほうがよい」,「操作方法など,まだハードルが高い感じがした」,「面白い実験だが,携帯の操作がやや面倒に感じる」といった意見が寄せられた。今後,エリア限定のワンセグ・サービスが実用化されて一般的になるには,この課題を解決する必要がありそうだ。