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第7回 眠いとき我慢しない「プチ昼寝」は大正解

2008/04/24

 ITの現場で,堂々と昼寝している人はどれだけいるでしょうか。多忙な現場で昼寝なんてしたら「さぼっている,怠慢だ」と,周りから白い目で見られるかもしれません。しかし,そんなふうに考えるのは間違いです。昼間に眠気が襲ってきたら,我慢して仕事を続けてもはかどりません。積極的に15~20分間程度の短い「プチ昼寝」をすべきなのです。

昼間に眠くなるのは自然現象

 プチ昼寝が有効である理由に入る前に,どうして昼に眠くなるのかについて説明しましょう。人の睡眠と覚醒のリズムは,基本的には約24時間です。だから毎日同じような時刻に寝むくなり,同じような時刻に目覚めます。

 ところが実は,人には24時間のリズムとは別に,約12時のリズムも存在します。この12時間リズムによって,夜中の0時ごろに寝る人は,昼間の12時ごろに眠気が来るのです。また昼食後は,血糖値が上がり血液中のカリウム濃度が低下することも眠気の原因になります。

 このように,昼に眠くなるのは,人として自然なことです。気がゆるんでいなくても,昼間に眠気は生じるものなのです。そのとき,眠気にひたすら耐えようとすると,仕事がはかどらないうえに,心身がぐったりしてしまいます。それよりも,15~20分間程度の「プチ昼寝」を取って眠気をやり過ごしたほうが,そのあとすっきりした頭で仕事に取り組むことができます。

30分以上昼寝するのは厳禁

 ただし昼間眠いからといって,30分以上寝るのは厳禁です。先に,24時間と12時間の生体リズムの話をしましたが,人にはもう一つ90分の生体リズムが存在します。30分以上の昼寝は,この90分の生体リズムを乱し,それが24時間と12時間の生体リズムにも悪影響を与えてしまいます。その仕組みはこんな具合です。

 眠りの深さは大まかに4段階に分けられます。就寝すると最初にウトウトし(睡眠段階1),眠り込んで5~10分すると,寝息が規則正しくなります(睡眠段階2)。 さらに眠り始めて20分経つとより深い眠りになり(睡眠段階3),それ以後に最も深い眠りになって大きくて緩やかな脳波である「睡眠徐波(デルタ波)」が出現します(睡眠段階4)。

 睡眠段階4に達する時間はケース・バイ・ケースですが, 30分が一つの目安になるでしょう。日中にこのデルタ波が出ると,90分の生体リズムがリセットされます。これが24時間や12時間の生体リズムを狂わせ,夜決まった時間に寝付きにくくなったりするのです。

 驚かすわけではありませんが,長い昼寝はアルツハイマー病の原因になるという説もあります。だから昼寝はプチに限ります。

昼寝を積極活用する欧米を見習おう

 「シエスタ」という名の午睡(昼寝)が社会的に公認されている地域があります。シエスタとはスペイン語です。ラテン語圏を中心に,昼寝を含む長時間の昼休憩(13時~16時が目安)が取られています。

 イギリスでは昼寝の代わりにアフタヌーン・ティーの休憩を取ります。アフタヌーン・ティーは紅茶のほかに,サンドイッチ,スコーン,ケーキ類といった,軽食を食べます。さらにこれより遅い時間のハイティーがあります。こうして午後の眠気と疲労をやりすごす工夫をしてきたのです。

 「power nap」という言葉をご存じでしょうか。米コーネル大学の社会心理学者ジェームス・マース氏による造語で,リフレッシュして力を取り戻す短時間の仮眠・昼寝を意味します。米国ではこの言葉が定着していて,昼寝は前向きの意味で使われています。

 このように,欧米人は昼寝を積極的にうまく活用しています。だから世界を“制覇”できたのでしょう。日本でも仕事の生産性を高めるため,堂々とプチ昼寝をすべきなのです。あなたが働くITの現場でも,思い切ってナップルームを作ってはいかがでしょうか。

田村 康二(たむら こうじ)
立川メディカルセンター(新潟県・長岡市)常勤顧問 田村 康二氏 医師,医学博士。立川メディカルセンター(新潟県・長岡市)常勤顧問。内科,循環器病,時間医学などが専門で,著書に「生体リズム健康法」(文藝春秋社),「健康安心ノート」(和泉書房)などがある
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