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「見える化」だけで経営は変わらない

第1回 見当違いな「見える化」

2008/03/04 ITpro

最近の「見える化」の議論は,BI(ビジネス・インテリジェンス)などシステムの話に終始しがちだ。だが残念ながら,不ぞろいで鮮度が低いデータばかり集めても実際の経営判断には使えないし,次のアクションにつながらない情報には一片の価値もない。本当に役立つ情報を提供し,効果的な経営管理を実現するには,従来の「見える化」の先にあるものを目指す必要がある。企業グループの経営管理には特に重要だ。

酒井幸良,村田達紀
NTTデータビジネスコンサルティング


 経営管理のキーワードの1つとして,「見える化」に注目が集まっている。「見える化」にはいろいろな捉え方があり,生産現場の“アンドン”のことを指していたり,業績管理制度を指したりすることもあるが,ここでは「経営の見える化」として考えていきたい。

 最近の「見える化」の議論では,データ・ウエアハウス,BI(ビジネス・インテリジェンス),OLAP(オンライン多次元分析)といった分析用ツールや仕組み系の話に関心が集まっているようだ。しかし残念ながら,データをただそのまま集めてきた不ぞろいで雑多な情報だけでは,実際の経営判断や課題検討には使えない。このような企業や企業グループには,次のような共通する課題が見られる。

課題(1)システム作りが目的になっている
 データを集める情報系のシステムを構築することが,見える化の手段ではなく最終目的にすり替わってしまっている。そのような企業ではたいてい,日常業務の中にPDCA(Plan-Do-Check-Action)のルールや判断基準が根付いていない。せっかく苦労してたくさんのデータを集められるようになっても,誰がどんな情報を見るのか,その結果からどうアクションするのか,といった一連の業務プロセスが確立されていない。

課題(2)収集する情報の質が低い
 月次で業績や生産実績などが見えるようになったとしても,鮮度が落ちた“結果”の情報ばかりになっている。これでは事業の動向や課題をタイムリーに判断し,先を読みながら軌道修正していくことができない。

 また,集めたデータの単位(事業別,会社別など)が大括りであったり,項目の意味(科目の考え方や計算方法など)がそろっていなかったりする。経営上の課題が生じたとき,原因を絞り込もうとしてもデータが粗くて使えない。

 さらに,データの出所が基幹系システムのみの場合は,業務プロセスの品質(配送リードタイム,商談中の案件数,クレーム件数など)にかかわる情報を取得しにくい。問題を早期につかむには業務プロセスの状態を常に見ておく必要があるが,それができない。問題発生時は,その根本的な原因が見えない。

課題(3)現場の管理に使われていない
 見える化の取り組みが,本社や本部からの一方的な要求の押し付けになってしまい,現場の各階層の主体的な活動になっていない。そのため,本社・本部へ報告するための管理と,現場を動かすための自前の管理を別々に運用している。報告データの2重作成や,都合の悪い情報の隠ぺいなど,さまざまな不都合,不満が発生している。

 このような状態の見える化は,はっきり言って「視界不良」だ。見当違いの取り組みと言える。これでは,ますます複雑で厳しくなっていく事業環境の中で,競争・成長していくための強い経営管理を実現することはできない。

「見える化」の先をいく経営管理とは?

 では,本当に有効な経営管理とは,一体どのようなものであるべきか。

 その答えは1つではないが,最も評価が高い考え方の1つを挙げるなら,本連載で取り上げる「CPM(Corporate Performance Management)」である。視界不良の原因をもとから断つだけでなく,経営管理や意思決定のスピードを高められる。

 CPMは,米調査会社ガートナーが2001年に提唱した企業経営管理の概念である。EPM(Enterprise Performance Management)と呼ばれる場合もある。

 目新しい3文字言葉だと思われるかもしれないが,全く新しい考え方というわけではない。予算管理,原価管理,利益管理,生産性管理など,従来の経営管理制度の延長線上にあるものだと捉えてほしい。

 「見える化」は,CPMと同じく伝統的な経営管理制度を補完・徹底する目的で取り組まれている。しかし,その「見える化」も,前述したように本来の目的や要件を満たさない状態に陥り,組織的・自律的な制度・ルールとしてうまく機能していない。「見える化」の仕組みを作っただけで高度な経営管理が実現できると勘違いしているのではないか。また,「見える化」の内容と,各部門・各階層で本当に必要な管理のベクトルが合っていないことが多い。関係者の意識がそろわず,動機付けもうまくいっていない。

 CPMは,このような「見える化」で経験してきた大切なポイントを踏まえたうえで,より幅広い領域,より速いスピードの経営管理制度を構築するものである(図1)。

図1●「見える化」の先にあるもの
図1●「見える化」の先にあるもの
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