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「見える化」だけで経営は変わらない

第5回 失敗しない「見える化」,実例に学ぶ

2008/04/08 ITpro

「見える化」の構築は,多数の関係者が絡む,複雑な検討作業の連続だ。理想像を一気に実現しようとすれば,途中で頓挫しかねない。実際には小さい単位で構築と定着化を行い,それを繰り返す段階的アプローチが必要になる。「どの領域から始めるべきか」など,実例を基にポイントを紹介する。

酒井幸良,村田達紀
NTTデータビジネスコンサルティング



 これまで4回にわたって,私たちが「見える化」の進化形と考えている「CPM(Corporate Performance Management)」を紹介してきた。その総仕上げとして,CPMの構築に成功した2つの実例を詳しく解説していきたい。それぞれの事例には,これまでのCPM構築経験から得たさまざまな知見を基に,CPMを成功させるためのメッセージを込めた。

 1つめの事例では,段階的な構築アプローチに焦点を当てる。本連載の中で,「CPMの構築=企業,グループ全体を対象に取り組むべきもの」といった話を繰り返し述べてきたが,それは必ずしも「企業,グループ全体で一気にCPMを構築すべし」という意味ではない。この点を誤解して,一気にCPMを構築しようとすれば,プロジェクトが頓挫しかねない。多くの企業,グループにとって,そのアプローチは現実的でないのだ。範囲を絞った小さな取り組みから始め,成功を繰り返しながら大きな取り組みに育てていく方法がよいと私たちは考えている。

 2つめの事例では,CPMの適用分野には幅広いバリエーションがあることを示したいと考えている。これまで述べてきたように,CPMの目的の1つは,財務KPI(Key Performance Indicator)にひも付けられた業務KPI(先行指標)を設定することで,企業活動の状況を適時に見える化し,次なる打ち手を迅速に打てるようにすることである。それゆえ,財務KPIに直接的に結び付く「製品の生産・販売などの直接部門」に対して業務KPIを設定しようと考える企業が少なくない。

 しかし,CPMは直接部門だけでなく,間接部門にも適用可能な経営管理手法である。意外なことに,CPMをうまく使えば間接部門を含めた従業員のモチベーションにも良い影響を与える。さらに,内部統制やリスク管理の観点からも,「業務KPIを用いた適時性・透明性のある見える化の仕組み」は非常に有効に作用する。特に「リスク管理」の観点は,1つめの事例にも関係するキー・ポイントである。

事例(1)総合商社B社
リスクの見える化が資本市場から高評価

 総合商社のB社は,基幹系業務にERPシステムを導入していた。ただし,そのグループ会社の多くは,独自開発した基幹系システムを運用しているか,あるいはグループ本社に導入されているものとは異なるERPシステムを導入していた。

 またB社では,かなり以前からグループ会社の情報を集め,「見える化」のための手立てとしてデータ・ウエアハウスを導入済みだ。各基幹系システムで生成したデータを,グループ本社のデータ・ウエアハウスに蓄積している。昨今,経営の見える化の1つとして,「ERPデータの有効活用をすべき」という議論が盛んだが,B社について言えば,ERPデータだけでなく,散在している部門個別システムのデータを有効活用する目的で,早々にデータ・ウエアハウスを導入していたのである。

 しかし,そこには問題もあった。確かにデータ・ウエアハウスに蓄積したデータは,グループ本社においてさまざまな場面で活用されていたが,それは事業ごとにグループ会社を統括している本社の部門単位での活用にすぎなかった。すなわち,グループ全体の戦略と整合性を保った形でのグループ経営管理にはなっていなかったのだ。

 それゆえ,いざ全社,全グループ企業のデータをそろえようとすると,うまく収集できないことが多かった。例えば,グループ全体における資産残高を管理する場面を見てみよう。グループ全体の資産残高データは,決算発表用の連結財務諸表を作成するタイミングなら何とかそろうものの,日常的な経営管理を行う月次のタイミングでは,事実上,作成不可能な状況だった。グループ共通の管理軸を持つデータを作成するのに,多大な工数がかかるためだ。

 また,B社は多種多様な事業を営んでおり,グループ会社も相当な数に上る。そのすべてに責任を持つグループ本社のマネジメント層にとっては,事業全体を見渡し,どの事業が儲かっているのか,どの事業が安定した事業でどの事業がリスクを抱えた事業なのか,総合的にグループに貢献している事業はどれか,などを知る必要があった。そのためには,グループ共通の軸を持つデータを整備し,共通の見方で全事業を評価することが必要不可欠だったのである。

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