写真1●NECソフトの「オンラインバックアップASP」
写真1●NECソフトの「オンラインバックアップASP」
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写真2●ITpro EXPOのNECソフトの展示ブース
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 エンタープライズ部門でAWARDを受賞したNECソフトの「オンラインバックアップASP」は,ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)形式で提供する,企業向けの自動バックアップ・サービスである(写真1)。ASP形式なので,サーバーや回線の構築・運用が不要で,データ増加によるディスク増設もユーザーは気にしなくていいい。

 このサービスは,サーバーだけではなく,クライアント・パソコンのファイルも簡単にバックアップできることが特徴だ。「基幹系のサーバーについてはバックアップを取っている企業は多いが,個人用のパソコンはバックアップを取っていないことが多い。しかし,パソコンが壊れてファイルがなくなると,業務に与えるダメージは大きい。このサービスを使えば,安価に容易にパソコンのファイルをバックアップできる」(NECソフト 新潟支社 営業グループ セールスマネージャー 兼 営業本部首都圏営業グループ セールスマネージャーの羽部 康博氏)。

 バックアップ対象のクライアント・パソコンやサーバーには,あらかじめ専用ツールをインストールしておく。専用ツールが稼働するOSは,パソコン用がWindows XP SP2と氏 Vista,サーバー用がWindows Server 2003とWindows Server 2008である。バックアップするファイルを指定し,バックアップを実行するタイミングを指定しておけば,あとはユーザーが意識しなくても,専用ツールが自動的にファイルをバックアップしてくれる。

 具体的には,更新されたファイルの差分データをインターネット経由でデータセンターに送信する(初回のみ,指定したファイルをすべて送信)。データは暗号化してSSLで送信し,IDとパスワードによる認証機能も備える。

 ファイルの指定方法としては,ファイルが含まれるフォルダを指定する方法と,ファイルを利用するアプリケーションを指定する方法がある。自動バックアップのタイミングは,Windows起動・終了時と日時(毎日・毎週・毎月)を指定できる。バックアップデータは,ファイル単位でバージョン管理して保管される。このため,世代を遡って,過去のデータを復元することも可能である。何世代まで遡れるかは,ユーザーが指定できる。

 このサービスを使えば,データセンターには常に最新のファイルが保存されることになる。このため,オフィスのパソコンで作成したファイルを外出先からノートパソコンで取得する,といった使い方もできる。「外出時にデータを持ち出さなくてもいいので,情報漏洩対策に役立つ」(NECソフト 新潟支社 第六SIグループ リーダーの波多野 亘氏)。

 「企業内のパソコンのファイルを気軽にバックアップしたいというニーズは大きいと思う。実際,ITpro EXPOのNECの展示ブースでも,このサービスへの関心度は,展示した製品・サービスの中で3本の指に入るほど高かった」(羽部氏)と,NECソフトでは大きな手応えを感じている(写真2)。サービス開始は2008年夏。料金は未定だが,ユーザー数(ID数)で決まる基本料金+ディスク容量に応じた従量課金になる予定だ。