写真1●GDX Japanブース [画像のクリックで拡大表示] |
従来のメールを捨て,いちから必要な機能を検討
「同じメールでもビジネス用と個人用では違うんじゃないか。そこにビジネス・チャンスがあるはず」(GDX Japan 取締役 事業開発担当の近藤 学氏)。それにメールを転送するプロトコルSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は,新たな機能を盛り込みようがない。
GDX Trusted Platform はプレイン・ストーミングのなかから生まれた。3年前,GDX Japanの親会社であるインターネットイニシアティブ(IIJ)と米MX Logicの担当者が集まって,新規事業についてブレイン・ストーミングを繰り返していた。MX LogicはIIJがメール・ソリューション関連で技術提携している企業である。
ブレスとでは,従来のメール・システムでの限界があるとして,いちからビジネス用メールのあるべき姿を明確にすることから設計を始めたという。ビジネスは信頼できる人や企業の集まり。ビジネス向けではどのような機能が必要になるのかなどを,既存の技術やサービスなどを捨てて検討した。
しかし,ユーザー企業に受け入れてもらえるかという若干の不安はあった。そこでサービス・イメージが顧客である企業に説明,利用意向などをヒアリングした。「面白いと評価するなど,むしろユーザーのほうが積極的な反応を示した」(近藤氏)という。
アプライアンスでクローズドな世界を作り出す
写真2●ユーザー企業に設置するアプライアンス「GDX Edge」 [画像のクリックで拡大表示] |
時刻認証機能も備えている。セイコープレシジョンの時刻認証サービスを採用し,メールに付与したタイムスタンプによって,送信日時の真正性を証明できる。
こういった仕組みによって,相手に確実にメールを届け,いつ相手に届いたかを確認できるようにした。
SOHOなどの小規模拠点では,メーラーだけでこのサービスを利用できる。Outlook Expressなどのメーラーにプラグイン・ソフトを組み込めばよい。このプラグインは,送達確認といったフィールドが追加する機能も備えている。GDX Edgeを設置した拠点でも,エンドユーザーが送達確認のために使える。
IT管理者向けの機能も充実させた。メールの配送状況や統計情報を確認できる機能も提供。管理画面上で,送信したメールが無事に届いたかどうかを確認したり,トラフィックや到達性についての統計レポートなどを作成したりできる。
相手がこのサービスを利用していない場合は,従来通り,GDX Japanのサーバーを経由することなくSMTPによってメールを送る。受信も同様である。このとき,サービスを経由しないメールだけ,スパム・フィルタを通すようにすればスパム・チェックの効率が上がる。
GDX Trusted Platformはその名の通り,ターゲットはメールだけではない。「企業間のさまざまなやりとりを安全,確実にすることを目指している」(近藤氏)。この夏のバージョンでは,ファイル転送機能を追加する予定である。