三十四、経営や 売上優先 事故増やす

 このところの企業の不祥事には目に余るものがあります。百年や三百年という社歴と伝統を持つ企業においてさえ、食品の賞味期限を改竄したり、虚偽表示したことが発覚しています。中には、ブランド力があり、消費者に広く親しまれるキャラクターを有している企業まで含まれていました。このような例はここ数年、増加しています。

 不祥事が増えている理由として、「公益通報者保護法」といった環境整備が進み、内部告発を誘引しているからだ、という見方があります。しかし、真の原因は、物余りの時代、飽食の時代、になったにも関わらず、「売上優先」の経営方針が続いており、従業員が無理に売上を伸ばそうとしたことにあると、だれもが思っているのではないでしょうか。

 今こそ、「経営のスピードをいったん落とし、経営方針を見直す」企業が現れて欲しいものです。


(文・森岡 謙仁=経営・情報システムアドバイザー、
アーステミア有限会社代表取締役社長)