ソフトバンク・グループが,ソフトバンクモバイルの携帯とIP電話サービス「BBフォン」間の通話を無料とするサービスを開始したことが判明した。北海道と新潟,愛媛の地域限定で2008年3月末まで受付中だ。同社は固定と携帯の料金一本化サービスも開始するなど,携帯・固定融合サービスに本腰を入れ始めている。

写真1●地域限定で配布中の「ホワイトコール」のパンフレット
写真1●地域限定で配布中の「ホワイトコール」のパンフレット
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 ソフトバンクが携帯・携帯間,固定・固定間の無料通話に加え,いよいよ携帯・固定間の無料通話サービスに乗り出した。「ホワイトコール」という名称で地域を限定して展開中だ(写真1)。

 ホワイトコールは,ソフトバンクの携帯電話向けの音声準定額サービス「ホワイトプラン」と,Yahoo! BBのIP電話サービス「BBフォン」の両方に加入するユーザー向けのオプション・サービスである。ホワイトコール加入者の携帯電話から国内すべてのBBフォンあての通話料が24時間無料となる。さらに同加入者のBBフォンから国内すべてのソフトバンクモバイルの携帯電話あての通話料も24時間無料となる(図1)。なお,ホワイトコールの申し込みには料金はかからない。


図1●ソフトバンク・グループが地域限定で開始した携帯とIP電話間の無料通話サービス「ホワイトコール」
図1●ソフトバンク・グループが地域限定で開始した携帯とIP電話間の無料通話サービス「ホワイトコール」
ソフトバンクの携帯電話からBBフォン加入者あての通話と,BBフォンからソフトバンク携帯電話加入者あての通話がそれぞれ無料になる。加入には,ホワイトプランに加入したソフトバンク携帯とBBフォン双方の契約が必須となる。

 ソフトバンクモバイルによると「ホワイトコールは地域限定のテスト・マーケティング。全国展開は状況を見ながら4月以降に検討する」という。

「最後の切り札」故に慎重に準備?

 実はソフトバンクが携帯と固定間の無料通話サービスをテスト・マーケティングするのはこれが初めてではない。2007年5月に期間限定で「トークフリー」という名称で携帯電話とBBフォンの通話が24時間定額となるサービスをテストした。また法人を対象に携帯と直収電話サービス「おとくライン」間の音声定額サービスをテストしたことがある。

 これらと比べると,ホワイトコールは単なるテストで終わりそうにない。該当地域では1月15日からテレビCMを開始するなどかなりの力の入れようだ。ソフトバンクの携帯は約1761万,BBフォンは約481万の加入者がいる。無料通話の対象が広いことから,ユーザーへのメリットは大きく,同社の“最後の切り札”とも言える。しかし収益へのマイナスの影響も考えられ,それだけに慎重に検討してきたようだ。

 ソフトバンクは2月4日からソフトバンクモバイルの携帯とソフトバンクテレコムが提供する固定系サービスの料金請求を一本化するサービスも開始。最後の切り札に向けて,着々と準備を進めつつある。