ロダンの「考える人」という彫刻作品があります。ご存知の方も多いと思いますがこの彫刻、実はロダン自身をモデルにしていてそのころ不倫で悩んでいたロダンが「愛人をとるか」「妻をとるか」を「考えて」いるらしいという説もあります。
さて、今回はこの「考える人」をモチーフに「アウディ・ジャパン」がリリースした「問い続ける男」というブランドサイトのお話。
まずアクセスすると、ロダンの彫刻「考える人」とよく似た姿の「問い続ける男」が登場。「○○とは何か」という質問を受け付けています。「○○とは何か」の「○○」を入力したうえで、自分のメールアドレスに送信すると、「問い続ける男」から、ウィットとユーモアにとんだ「へんてこな回答」もしくは「けっこうまともな回答」のいずれかがメールで返信されてきます。
問い続ける男 赤いケイタイで回答をかえしてくれます。入力をのろのろやっていると、貧乏ゆすりをして、イライラした雰囲気になってしまいます。 |
■回答例
Q.若い方の妻とは何か?
A.「若い方の妻か。若い方の妻について問うことは、井戸の中の蛙が、世界について考えているようなものだ。まずは、井戸を出なくてはならん。考えるのは、それからだ。」
「夫の浮気」とは何か?に対する回答全文 |
わかるようでわからない、回答。しかし、人間、質問をはぐらかされると、逆にどんどん質問したくなるもの。「問い続ける男」と、ちゃんとコミュニケーションしようとしてしまい、気づいたらキーワードを10個もつっこんで、はまってしまいました。
「これで10回目の質問だ。キミも、私に負けず劣らず変わり者だな。」
Q.走るとは何か?
A.「走るか。自慢じゃないが、私は子供の頃から足が遅い。運動会は、いつも憂鬱だった。だが愛車のA8に乗れば、話は別だ。誰よりも滑らかで、誰よりもキレのある走りを見せられるぞ。」
「走る」とは何か?に対する回答 |
というまともな回答が帰ってきて
やった!なんだかはじめて、「問い続ける男」と、会話がつながったような気がするぞ、という変な達成感を体験。
アウディによれば「お客様自身が『問いかける』体験を通じて、その行為の意義についての理解を深めていただくこと」が狙いだそうです。
アウディの哲学は世の中のあらゆる事象について革新と創造を求めて常に問い続けること。それを体現するのがこの「問い続ける男」というわけですね。
ちょっと不思議なブランドや哲学の伝え方ですが
うっかり、問い続ける男にメールアドレスを取得されてしまったので、この男から、このあと、車の話の問いかけが来てしまうかもしれません。
「洗練」とは何か?に対する回答 |
●今日のまとめ
会話の通じるデザイン